意外に敏感 台湾人の味覚~エピソード5選

台湾生活
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こんにちは、たまごです!
今回は、敏感で繊細な「台湾人の味覚」と「食事への美学」の一部についてシェアしたいと思います。意外に敏感の「意外に」、というのはちょっと失礼かもしれないですね、ごめんなさい!

1.「甘さ」の種類にシビア

台湾の人は、甘さに対して平均的な日本人とは違う感覚を持っているように感じます。

一番よく遭遇するのは、ダイレクトな砂糖の甘さへの厳しさ(笑)

  • 砂糖 vs 麥芽糖: 台湾在住者の方ならわかっていただけると思うのですが、白砂糖のダイレクトな甘さが嫌われるシーンに遭遇することはよくあります。それに対して、麥芽糖(マイヤータン)のような奥行きのある素朴で自然な甘みはかなり受け入れられやすい印象があります。
  • 海外のお土産: 日本、ヨーロッパ、東南アジアからのお土産が「甘すぎる」がゆえに食べてもらえないことも頻繁にあります。一口食べて「太甜了!(甘すぎ!)」と避けられてしまうことも。親戚宅に持っていった、せっかくヨーロッパから買って来たお菓子を受け取ってもらえないだけでなく、台湾の親戚の家に置いてあった消化不良のベトナム土産・タイ土産を日本人である私が引き取るという謎の現象が起きています。

2. お茶文化が育てた「香りの解像度」

台湾人の舌が敏感なのは、お茶文化の影響も大きいのかもしれません。

  • お茶の種類の多様さ: 焙煎度合いや発酵度によって、お茶の違いを嗅ぎ分けるのが当たり前になっています。ドリンクスタンドのドリンクにも、烏龍茶系のメニューがありますが、普通に紅烏龍 金萱 東方美人 など、お茶の種類が色々あります。台湾のお茶のことを知らない日本人には全部同じお茶に感じられてしまうのではないでしょうか。
  • コーヒーへの敏感さ: 台湾でもコーヒーが好きな方はたくさんいるのですが、日本でメジャーな深煎りのコーヒーよりも、浅煎りエチオピアの「レモンのような香り」として楽しむ人がけっこう多いです。浅煎りコーヒーをたくさん揃えたコーヒーショップもあるそうで(台北MRTの北寄りの沿線にあるそうですが、どの店かはわからず・笑)、浅煎りの方が本来の「豆」の風味を楽しめるんだそうです。私もコーヒーは大好きなのですが、浅煎りのコーヒーの香りを楽しむという感覚は、ずっと日本にいたら考えもしなかった感覚なので、とてもおもしろいです。

3. 「一点食い」ができない食卓の美学

日本食だと、丼ものやお好み焼き、焼きそば、究極は日の丸弁当のような、一点食い/ほぼ一点食いがありますが、台湾人の多くは「それだけ」を食べることに満足しない傾向があるように思います。彼らには、数種類のおかずが必要なのです!

  • お好み焼きの苦戦: 高雄の漢神百貨店にお好み焼き屋さんの千房が入っているのですが、普通にお好み焼きを何枚かドン!ドン!と頼もうとしたら、セットメニュー押しになっていて、お好み焼き一枚+鶏肉のグリル+おかずのような、日本人的には肩透かしを喰らうようなメニューが出されていました。セットメニューで頼むのが一番お得だった気がします。私としてはあんまりお好み焼き屋さんに来たという実感が得られなかったのですが、一緒に食事した台湾人としては、バラエティのあるおかずは必須という感覚だったらしいです。だからあのセットメニューは、台湾的には大正解。
  • お弁当もおかずがほしい: 丼物や麺類であっても、おかずがセットになっている方が断然うれしい台湾人。常に複数の味を並行して楽しむのが台湾流のようです。私の勤め先の近くのお弁当屋さんも、メインを選択+おかずが3種類〜4種類選べるところが何軒かあります。台湾人ほどのこだわりはないけれど、おかずが何種類か好きな組み合わせで選べるのはうれしいです。でもたまに心のままに選んだ結果、お弁当全体の色合いが茶色っぽくなってしまって、失敗したな…と一人反省することがあります。(全おかずが茶色でキマってしまってもまったく気にしないのが台湾人のおおらかなところです(-ω☆))

​4. わさび大量投入​

わさび大量投入の謎。台湾人にはお刺身が好きな人も多いのですが、小皿にわさびと醤油をたっぷり入れるというか、盛ると言うか、大量に使う人が多いです。​わさびに関しては、台湾で製造されている練りわさびの添加物の影響なんじゃないかと思っています。台湾で一般的なわさび…某台湾系回転ずしチェーンなどで使われている「わさび」は添加物の比率が高いです。本来のわさびの味を感じにくいので、本来の辛味や甘み、香りを求めて量が増えてしまったのかも?と思っているのですが、いかがでしょうか?

日本人としてはわさびを入れれば「殺菌」されるという安心感があるからかな?とも思ったのですが、台湾人の友人たちに「殺菌される安心感があるからいっぱい入れるの?」と聞いたところ、「えっ、わさびって殺菌作用があるの?」と質問返しにあってしまいました…。ええ…知らなかったの…?本当に純粋にわさびを調味料として使っていたんですね。

5. 肉や魚「生臭さ」=食べた!という満足感

さて、味覚が敏感なはずの台湾人ですが、なぜ肉や魚の「匂い」(生臭さ)にはとても寛容です。

サバヒースープの衝撃: 台南の有名店で味わった、サバヒースープのえぐみ・生臭さが強烈でした。​人気店で、訪問時もたくさんのお客さん であふれていたのですが、日本人のお客さんは「台湾で初めてこんなにえぐみを感じるものを食べた」と言って、一口でノックアウトでした。

牛や豚などの生臭さ:日本人が「雑味」として削ぎ落とすものを、台湾人は「素材本来の個性」として受け入れているのかもしれません。魚は基本的に生臭いことが多いですが、お肉も、けっこう生臭いものが多いです。牛も、日本にいると、穀物を食べて育ったいわゆる「グレイン・フェッド」のアメリカ産の牛肉に出会う機会が多いように思いますが、台湾だと価格的にニュージーランド産の牛肉がけっこう多いです。ニュージーランドは、草で育ったグラス・フェッドがメインですが、グラス・フェッドの場合、グレイン・フェッドよりも生臭いことが多いです。日本人だと臭いと感じるニュージーランド産の牛を、わざわざ選んで食べる台湾人もいます。あの生臭さが、「肉を食べている」という実感を与えてくれるんだそうです。食材選びの角度がなんともワイルドです。生き物を食べているという感覚が、日本人よりも強いのかもしれません。

気づき1.日本が失った「食の原風景」​

日本人は匂いだけでなく、元生き物の外観にも過敏だと思います。世界的に見たら、実は日本の方が「特殊」なんじゃないかと思っています。

​オーストラリア留学中、現地のマーケットで、死んだ豚(食材として売られている豚肉)が一頭逆さまに吊るされて売られているのを、生まれて初めて見て、ギョッとしたのを覚えています。台湾の市場にもそういうふうに売られている豚(豚肉)があります。たぶん、欧米・中華圏には普通に見られる光景だと思います。でも、日本にはない。

日本だと食肉は元の姿が想像できないほど綺麗に処理されて、パック詰めになって、スーパーで売られています。

1970年代に普及した日本のスーパーマーケットとパック詰めの肉によって、日本人が生き物を食べている感覚はとても鈍くなったと思います。

でもちょっと不思議に思うのは、欧米や中華圏でも様々なスーパーマーケットがあって、そこでもお肉が売られていることです。たしかに海外のスーパーで売られているお肉の方がカットの仕方は大きいけれど、日本で肉市場が見られず、海外ではスーパーと共生しているのがミステリーです。日本と他の国では何が違ったのか、何かの機会に調べてみたいです。

気づき2. 台北の「チャラさ」と、南部の「実直さ」

台湾人はこれほど舌が肥えているのに、台北では不思議な二極化が起きているように感じます。

  • おしゃれ目的の行列: 味が伴わない「チャラい」店に行列ができることに違和感を覚えます。おいしくないけど、新しいから・店構えがおしゃれだから・海外の料理(韓国料理など)で珍しいから、ファッションとして食を消費する層が、まずい店に行列を成しているところを見かけます。そしてその行列は主に「台北市内」で見られます。
  • 南部の正義: 台南や高雄では、まずい店は即潰れます。だからローカルのお店に適当に入っても、よほどのことがない限りまずい店に当たることはありません。(でも生臭いサバヒースープだけはお気をつけください。)南部のラオバンは、長年お店を開いている人や、代々店を守っている店も多いです。そして忙しい台北にはない、時間と心の余裕。その余裕が作り出す、長時間じっくり煮込まれて出汁の効いたスープ。外観こそ違えど、銀座のランチで感じるような「プロの誠実さ」「いいものを食べた満足感」があると思います。
  • もちろん台北市内にもおいしいお店はたくさんあるのですが、まずい店も多いです。オフィス街に突然オープンする、料理の仕方も知らない若者が適当に開いた店にはご注意ください。私は会社のお昼休憩に何度かそういう店に当たってしまって、会社で先輩に泣きついた覚えがあります(笑)。そういう店ってなぜか行列ができてるんですよね。台北市内だと立地がいいだけである程度稼げてしまうのかも?会社の先輩に「台北市内のオフィス街だとみんな時間にも限りがあるから、適当に買って食べてしまうし、匿名性が高いから、行列ができていると、良し悪しもわからないままそこにサッと並んでしまう」と言われ、なぐさめられました。その後は機会があるごとにその先輩の意見やオススメを聞くようにしました。ちなみにその先輩は舌の肥えた高雄出身者でした。

おわりに

以上、意外と敏感な台湾人の味覚と食へのこだわりのついてでした。

繊細な舌を持つ層と、流行重視の二極化が極端だと思うのと同時に、流行重視の食べ物の価格がその価値以上にどんどん高くなっているように感じます。流行も楽しめればいいのですが、個人的には昔ながらのいいダシが出ているお店がずっと続いてくれたらいいなと思っています。ただ、台湾もサラリーマンが増えて、お店のあとを継ぐ人も減って来ているそうです。自分もサラリーマンなので、会社で働く選択をした人の気持ちはわかるのですが、勝手ながら、さみしく感じています。

今回はここまでです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!それではまた!

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コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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