こんにちは、たまごです。
今日は、異業種交流で話題になった、在台湾日系企業に、レベルの低い社員――上司や同僚への態度が悪い・社員や仕事への態度が非常に受け身・言われた最低限のことしかやらない・スキルアップしない・他社では通用しない――が、長年居座ってしかも高級役職についてしまう理由についてお話します。
理由1. 簡単にクビにならない
言われた仕事を期限内にやらない、その上、総経理に向かって「時間がなかったから仕方ない」と大声で怒鳴りつける…そんなことが在台湾日系企業で頻繁に起こっています。
台湾人オーナーの会社なら、オーナーやオーナー一族の独断で即日クビもあり得ますが、日系企業では簡単には切られません。
理由2. 年功序列、成果ゼロでも毎年昇給
在台湾日系企業は、企画力のない社員にとってはかなりおいしい職場です。毎日言われたことだけをやっていても、年功序列で、黙っていても毎年のように昇給し、時間がくれば、能力や資質が備わっていなくても昇給していきます。
ただ昇級幅は転職での昇級幅には至らないことが多いようで、役職者の給与水準は、台湾系や他の外資系企業の方が高いようです。
傾向としては、ある程度能力のある人でステップアップを希望する人は、転職して辞めていきます。
その一方で、超安定志向か、他社で雇われる能力がない人が会社に残っていきます。
理由3. メンバーシップ型のゴリ押し
日系・台湾系に関わらず、やる気のある、上昇志向の強い社員が3〜5年で自分のスキルや報酬の点検をするのは当然のことです。
そこで自分の成長度や報酬が思ったように上がっていなかった場合、もっといい環境を求めて転職していくということは普通に起こることです。
日系企業の駐在員で、特に生え抜きの方の中には、たとえ自分の興味関心やスキルと関係なくても、会社からの命令ならそれを受け入れるという考え方の方がいます。その考え方そのものは悪いことではありません。
でもその考え方を台湾人社員や現地採用の日本人にも押し付けようとすることがあります。台湾人社員や現地採用の日本人にとって、自分が専門としている仕事ができなくなってしまうことは、その道のスキルアップの機会を絶たれることになります。
在台湾日系企業の言いなりになって専門外で興味もスキルもない仕事を無理してやったとして、その日系企業がある日台湾を撤退してしまったら、その社員は次の仕事を見つけるのが相当難しくなります。というのも、長年その日系企業の中でしか評価されない仕事しかしていないためです。日系企業の言いなりになって色んな仕事をちょっとずつやることは、中途半端で危険なことです。
日本の状況もかなり変わってきたとは聞いていますが、日本はまだまだ社員が会社に頼って仕事をしているのだと思います。台湾では、特に台湾オーナーの会社では、自分のスキルに頼って仕事を見つけていかなければ、食いっぱぐれてしまいます。他の会社でも役に立つスキルを磨き続けるのは、日本以外の国で生きていくためにとても大事なことです。日本のようなメンバーシップ型の働き方で、他社でも即戦力として評価されるような特定の分野のスキルを磨くのは、難しいと思います。
もう一つよく考えてみてほしいことは、日系の大手企業と台湾現地スタッフの雇用条件がまったく違うことです。台湾にある多くの日系企業では、日本にある日本企業のような手厚い福利厚生などありません。合法に経営しているというだけで、それを誇らしげに語っている経営者もけっこういます。現地スタッフは、そんな企業に5年も10年も残り続けるでしょうか。
注意点
今回お話したような、他では雇ってもらえなそうな社員がたくさん残ってしまう…という状況が起きているのは、特に台湾で長年経営されている日系企業(特に25年以上など)に多いと思われます。もしその企業の昇給・報酬制度が何年も更新されていない場合、その企業は人材の掃き溜めになっている可能性があります。台湾で日系企業に就職・転職される方はお気をつけください。また、駐在員の方には、自分の経営している会社の人事考課制度が、本当に能力のある人が上に上がっていくような制度になっているか、常によく点検してアップデートしていくことをおすすめします。
友人の話ですが、人材の掃き溜めになっている会社では、能力は平凡レベルで勤続年数だけが長い社員たちが、まるで王様のように振る舞っていて、役職付きで入社した大型新人をいびるのに大忙しなんだそうです。新人が仕事のことで話しかけても目を向けず、挨拶も返事もしないとか。そして、ベテランのはずなのに、業務上の様々なことを知らず、「知らない」と怒ったように怒鳴って開き直り、調べるということもしないんだとか…。(本人は恥ずかしくないのでしょうか…)これまでスキルアップ、自己研鑽をして来なかった結果、色々なことを知らない状態で役職だけが上がってしまった結果、このようなことが日常的に起こっているようです。
一方、王様たちは、自分と仲のいい同僚や、自分の言うことを聞く人には優しく接するんだそうです。長年居座っている自分の縄張りを守るため、必死なのでしょうね。そういう人たちが高級役職についている会社に、未来はあるのでしょうか…。
今日はここまでです。この記事が少しでも何かのお役に立てたのならうれしいです。また新しい情報があれば、同じページ上で加筆していきます。それではまた!
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