こんにちは、たまごです。今日は台湾のテレビのモザイクの使われ方についてお話ししてみたいと思います。 日本のテレビでもモザイクは使われることがありますが、台湾のテレビと日本のテレビ番組だとモザイクがかかる場所などが違うんですね。 おもしろいなと思ったのでまとめてみました。
ちなみに、「モザイク」の中国語は
「馬賽克」(mǎsàikè マーサイカー)
「モザイクをかける」は、
「打馬賽克」(Dǎ mǎsàikè ダー マーサイカー)
です。
※この記事では、幾何学模様のモザイクではないものも、便宜上「モザイク」と呼んでいます! (たとえば、ぼんやりとスモークがかかったような表示や、真っ黒く塗りつぶされてしまうようなパターンがあります。)
中国共産党の制服の星マークを隠す
一度だけ台湾のテレビで見たことがあるのですが、中国の戦争映画で国民解放軍の被っている帽子の真ん中に付いていた中国共産党の星のマークの部分にモザイクがかけられていることがありました。 かなりぼんやりはしていたのですが何が隠されているのかはすぐにわかりました。台湾では共産主義的なものは輸入が禁止されているので、この映画も輸入するときにこういった条件付きで放映を認められたのではないかと推測します。
女性の胸の谷間・お尻など局部をぼやかす
谷間
日本のアニメって結構胸が極端に大きい女性が出てきたりして谷間が深く露出していたりする作品も多いと思うのですが、あまりに露出している面積が大きい衣装だったり(笑)入浴シーンがあったりすると、胸の部分がぼんやりと全体的に隠されていることがあります。 お尻も割れ目が出ているような場合はぼやかされています。
例えば『ルパン三世パート5』の峰不二子のお尻の割れ目の部分が少しだけ露出しているシーンがあったのですが、ぼんやりとしたモザイクがかかっていました。ジョジョの奇妙な冒険2部の女師匠・リサリサの入浴シーンでは身体の多くの部分がぼやかされています。同じ作品の3部では、子どもの股間もモザイクがかけられました(身体が縮んでしまったポルナレフ)。クレヨンしんちゃんの股間やお尻のように、幼児の体の一部もぼんやりと隠されます。
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アニメの喫煙シーン 〜 『ジョジョの奇妙な冒険』のふしぎ
台湾でも人気のあるマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』のアニメ。台湾のアニマックスで、第1部から5部までが何度も再放送されていて、私はその度に見ています。この作品にも、モザイクがかかる部分が出てきます。
同作品シリーズ第3部の主人公の承太郎が タバコを吸うシーンです。承太郎は高校生ですが、ちょっとやんちゃなのでタバコを吸います。
承太郎がタバコを吸うシーンになると彼の口元が突然真っ黒になります。真っ黒にされてしまうので正確にはモザイクではないのですが、とにかく消されてしまうんです。
ところがおかしなことに、同じ作品に出てくるホルホースというキャラクターがタバコを吸うときは、一切モザイクがかかりません。それから承太郎(正確には承太郎に変身した別の人物)がタバコを何本も一度に吸うシーンでは、モザイクはかかっていませんでした。
このモザイクがかかる部分とかからない部分の何が違うのか考えてみました(笑)
まず、承太郎がタバコを吸うシーンで彼の口元が黒くなってしまう理由として、承太郎はまだ高校生なので高校生がタバコを吸っているシーンを台湾の青少年に見せることで悪影響が出ることが考えられます。一言で言うと、承太郎はかっこよく、かつ未成年だから喫煙シーンにモザイクがかかる説です。
一方、同じようにタバコを吸ってもホルホースにモザイクがかからない理由を考えてみました。まずホルホースは おそらくすでに成人していると考えられます。タバコを吸ってもいい年齢なのでモザイクがかからないのではないか?と思います。
それからホルホースはかっこいいシーンもあるにはあるのですが、いつも詰めが甘く、ちょっとださいイメージがあります。ですのでホルホースがタバコをプカプカ吸っていたとしても、台湾の青少年がホルホースに憧れて真似をするということはないのではないでしょうか?その反面、承太郎は強くてクールでかっこいいキャラクターなので、「承太郎が吸っているから」という理由で吸ってみたいと思う子どもたちも出てくるかもしれません。
というのも私も実は高校生くらいの時に映画で素敵なキャラクターがタバコを吸ってるのを見て、隠れて吸ってみたことがあるんです。かっこいいキャラクターに影響されてしまう気持ちは簡単に想像できます。
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台湾の放送の規制レベル
台湾の放送に関する年齢制限は、性や暴力、喫煙・飲酒、反社会性などのレベルによってわけられています。
◆國家通訊傳播委員會 電視節目分級處理辦法
でも具体的に、一体どんなシーンがあった場合年齢制限が何歳以上となるかは、これを見ただけではわかりません…。
モザイクをかける以外にも、一定の年齢レベルに合わせるために、シーンの一部をバッサリカットしてしまうことも多いようで、台湾で映画やアニメを見ていると、たまに前後のつながりが少しおかしいことがあります。たとえば、冒険もののアニメで身体の一部が切断されるような残酷なシーンは、その部分の数秒間がカットされていたりします。たくさんの人に観てもらうためにそうしているんだとは思いますが、元々の作品のおもしろさは損なわれてしまっています。
◆規制緩和のニュース(2016年)
「NCC放寬電視限制級內容 性器官免打馬賽克」
12歳以上・15歳以上指定の番組では、身体にかけるモザイクの規制が緩和されたそうです。5年前はもっとモザイクだらけだったのですね!
矛盾 〜 台湾のアナウンサー&子ども番組のおねえさんが超ミニスカ
女性の身体の露出が多いとすぐにモザイクをかけてしまう台湾のテレビ。でもちょっと変だなと思うのは、台湾のアナウンサーや子ども番組のお姉さんのスカートがものすごく短いことです。彼女たちは膝上20センチ以上と見られるスカートを平気で履きます。日本人の私の感覚からするとあのスカートの短さは尋常じゃないと思うのです。特に歌のお姉さんのスカートはもう少しでパンツが見えそうです。
私が子どもの頃、歌手の森高千里のスカートがものすごく短いということで話題になりましたが、森高千里レベルのミニスカートのお姉さんが毎日子ども番組で歌ったり踊ったりしています。教育上悪くないのでしょうか…。
個人差はあれ、4歳ぐらいの子どもでもすでにかなり性に目覚めている子はいます。私は幼稚園の時もすでに性的なことをある程度意識していたので、いくら台湾が暑いとはいっても、パンツが見えそうなミニスカートのおねえさんを毎日子どもに見せるのはあまり良くないと、個人的には思います。教育番組ではなくて、アイドルとかだったら超ミニでもいいと思うのですが…。
日本と逆!逮捕された人の「顔」と「手錠」
台湾でいろんな事件の容疑者が逮捕された時、逮捕されて連行されるシーンがテレビで放送されることもあります。その時に違和感を感じるのは、容疑者の顔が隠されている反面、手錠がかかっている手元はそのまま放送されているところです。
日本の場合は顔は全部丸出しにされて、手錠をかけられた手元にモザイクがかけられるのではないでしょうか?あるいは手元にコートなどがかけられていることが多いかと思います。
以前日本で、警察署の近くに住んでいた時、朝の通勤時間にたまたま 警察の輸送車と遭遇してしまったことがあります。その時、逮捕された人たちが一人一人輸送車に乗り込んでいく様子を見てしまってドッキリしてしまいました。手錠をかけられている状態の手元を見るのが初めてだったからです。
なぜ日本では手錠をかけられた手元はいつも隠されているのか?なぜ手錠をかけられた手元を見るとドッキリしてしまうのか?自分でもよく分かりませんが、たぶん日本ではテレビでも隠されているので、何か「いけないもの」という刷り込みがあるんでしょうね。もし台湾人が日本のテレビで誰かが逮捕されている様子を見たら逆に、「顔が隠されてない!」とおどろくのではないでしょうか?
台湾では容疑者や犯人の顔が隠されるという話をしましたが、顔だけではなく名前も隠されます。よくあるのは逮捕された人の苗字だけが公表されるパターンです。 台湾人の苗字は日本の苗字に比べるとすごくバリエーションが少ないです。 同じ苗字の人がたくさんいます。ですので日本に比べると容疑者や犯罪者の個人を特定するということは難しくなります。もし冤罪だった時などはこれでいいと思うのですが、殺人犯などの名前もテレビでは発表されることは基本的にありません。台湾は犯罪者にとても甘いとても優しい国だなという印象があります。
台湾人の友人に「台湾って犯罪者に甘いよね」と話をしたところ、「台湾は国土が狭いから、出所した時に、前科がバレやすい。もしバレてしまったら再出発をするのがとても難しくなるのでこういう風にしているのではないか」ということでした。
有名な凶悪事件などに関してはマスコミにフルネームを公表されている犯罪者もいます。しかし何人も殺害しているような大犯罪者で、しかも死刑囚でも、やはりフルネームが隠されていることがあって、そんな時はとても違和感を感じます。
おわりに
以上、日本と台湾のテレビでのモザイクがかかる場所の違いについてでした。
日本と台湾って文化的にも近いようでいて、隠す場所・守られる場所が結構違ってるんですね。おもしろいなと思います。また何か気づいたことがあったら、この記事に付け加えて行きたいなと思っています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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