障がい者に冷たいバス―あるあるであってほしくない、がっかり台湾

台湾カルチャーショック
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こんにちは!たまごです。

今年の夏転職したことをきっかけに、毎日のようにバスに乗るようになりました。

台北・新北のバスと言うと、荒い運転で有名だったりしますが*、そんな中でも先日がっかり…と言うか胸が痛むようなことがありました。

*同じ台湾でも高雄のバスはおっとりしている傾向にあります。お客さんも降りるとき「謝司機!(運転手さんありがとう!)」と言って降りたりします。

とにかくお行儀の悪い台北新北の運転手

台北新北の運転手さんはお行儀の悪人が多いです。全員ではないですが、私の感覚では7割がたかそれ以上は暴走車です。

日本のバス…東京のバスの場合は、少なくとも私が利用していた頃は、停車する前に立ち上がると「危険です」と注意されたものです。でも台北新北の場合は、バスが止まってドアが開いた瞬間にすぐ降り始めないといけないので、走っている最中に立ち上がるのは必然的です。もしバスが止まってから立ち上がった場合、運転手さんは誰も降りないと勘違いして、開けたドアをそのまま閉めてしまいます。


ただ、バスが走っている間に立ち上がるのもとても大変です。特にお年寄りにはとてもキツいと思います。というのも、暴走車がカーブしたり、バス停で急ブレーキをかけて止ったりすることで、身体にかかる圧力が半端ないんです。

私は腰や膝が弱いので、バス通勤を続けているうちに腰痛や関節痛が悪化してしまいました。今、病院から薬を出してもらっています…。ですので、できるだけ空いている席を見つけて座るようにしています。

こんなふうに、台北新北のバスは本当に身体にも心にも悪影響を及ぼします。

「早く言ってよ」- 障がい者に冷たいバス

先日台湾のバスに乗っていたときのこと、新北市にある新埔站(新埔シンプー駅)をちょうど過ぎてしまったところで、ある乗客が運転手さんを呼び止めました。そのお客さんは、別の乗客を指して

「この人降ります!」

と言っています。

よく注意してみると、バスそのものは既に新埔站を過ぎていたのですが、社内の音声案内が、完全に新埔を過ぎてから鳴っていました。

その、新埔站で降りたかった乗客は、目の見えない人でした。(おそらく正しくは「視力の弱い人」)

起きたことの流れとしては、次のようになります。

  1. 視力の弱いお客さんが、社内の音声案内を頼りに、「次は新埔駅」というのが聞こえた瞬間に、「次降ります」のボタンを押した
  2. しかし、その時既に新埔站は通り過ぎていた
  3. 周りにいた優しい方が状況に気がついた
  4. 周りにいた方が運転手さんに、「新埔で降りたいお客さんがいる」と言った

問題はこのあとです。

運転手「新埔!?もう過ぎたよ。もう次のところ着くよ」

乗客「おねえさんは目が見えないんだよ!」

運転手「降りたいんなら早く言ってよ」

乗客「だから、おねえさんは目が見えないんだよ!!」

運転手「急に停めろとか言うからびっくりした」

乗客「音声が実際のバス停より遅れてるんだよ」

運転手「急に停めろとか言うからびっくりするじゃないか」

乗客「おねえさんは新埔で降りたかったんだよ」

運転手「早く言ってよ」

・・・

もうあとは似たような会話の繰り返しでした。

私もこの優しい(ちょっとお節介でもあるかな?)乗客に加勢してしまいそうになりましたが、騒げば騒ぐほど、このおねえさんがいたたまれない気持ちになるんじゃないか?とも思い、やめました。

このおねえさんは、一人でバスに乗るくらいですから、これくらいのことは慣れているのかもしれません。それでも運転手さんの答えはかなり的外れだなと思ってしまいました。「早く言ってよ」と言いますが、目の見えないおねえさんに早く言うことは無理です。もしくは、おねえさんは一人でバスに乗ってはダメで、いつも誰か代わりに下車ボタンを押してくれる人を同伴しなければならない、と言っているようにも聞こえます。でもおねえさんは一人で歩けるし、一人でバスに乗る権利もあります。

別に運転手さんが謝る必要はないと思いますが、それでも「次の停留所で降りてもらうしかなくなったけど、歩けますか?」とか、もうちょっと優しい言葉をかけてあげてもよかったと思います。まぁこのバスの運転手さんにそこまでのEQを求める私も間違っているのかもしれませんが…。(もちろん、運転手さんの中には優しい運転手さんもいます。)

ただ、このお節介焼きなお客さんも、ムチャクチャなことを言い続ける運転手さんも、どっちもすごく台湾っぽいと思いませんか?私だけでしょうか(笑)

人の優しさ・思いやり・見知らぬ人とのちょうどいい気遣いの度合いなど、色々考えさせられる出来事でした。

オーバーラン・あおり&クラクション運ちゃん

さて、暴走運転手の中にも単に暴走するだけでは気がすまない運ちゃんたちがいます。

あるときは、なぜか毎回バス停でオーバーランし、変なところで停車するので、その結果乗客に歩道と車道の間にあるデコボコの植え込み部分を歩かせる、という非常にムダなことをしている運ちゃんに遭いました。

あるときは、前の車に必要以上に詰め寄り、それ以上詰められない距離まで詰まると

「パパパーパパパパーパパパパ」

毎回クラクションを鳴らす、という運ちゃんに遭遇しました。あおりです。

危険運転だし、気持ち的にもすごく嫌でした。途中で降りて、次のバスを待とうかなぁと思っていたら…

たまたま通りかかったのか誰かが通報したのか、パトカーがバスの前にスーッと入って来た途端、解決しました(^_^)ホッとしましたし、ちょっとおもしろかったです。

バスが2台連続で来る頻度が多すぎる

ところで、新北の市内のバスは同じ路線のバスが、2台続けてやってくる頻度がやたら高いです。たまに3台続けてくることもあります。こういうときは一番前を走っているバスに乗りますが、正直言って二台目・3台目のバスの方がガラガラだったりするので、そっちに乗りたいことが多いです。でも実際には、2台目・3台目のバスはそのままバス停をスルーしてしまうことが多いです。

台湾の市内の路線バスは時刻表に沿って運転するとか、一定の時間の間隔を守るとかそういうことは重視されておらず、どれが先に走るべきバスだとか、乗客の利便性だとか、そういうことは事実上考慮されていません。**

**「客運」と呼ばれる長距離バスや空港との往復バス、本数が少ないバスは基本的に概ね時間通りに出発します。

お行儀が悪いのは運転手だけじゃない

さて、先ほどお行儀の悪い運転手さんのお話をしましたが、お行儀が悪いのは運転手さんだけではありません。バス停でよくある困ったことは、コレです。↓

台湾のバスは日本のバスとは違って、手を挙げないと止まってくれません。こういう車があると、バスが近づいてきているかどうか全然見えないんですねー。

乗り過ごしたらまた何分も待たなければならないので、こういう場合は時々車道に出ていって、バスが来てないか確認しています。でもはっきり言って危ないです(^_^;)こういう場所に停車するのってきっと交通違反ですよね?もしあまりに続く場合は警察に通報したほうがいいのかもしれません…。

いい運転手さんもいる

ここまでお行儀の悪い運転手さんのお話をしてきましたが、自分の経験や在台の日本人の友人たちの話を総合すると、これは台北・新北に限った話です。台中・高雄・台南でも路線バスに乗ったことがありますが、こんなお行儀の悪い運転手さんに遭遇したことはまだありません。

高雄でよく見かける光景としては、乗客が当然のように運転手さんに「ありがとう」と挨拶をして下車していく、ということがあります。私の実家のある盛岡でもみんなけっこう高い頻度で運転手さんに挨拶していましたが、人間対人間の交流とか、地方都市の良さというか、そういうものを感じます。

そして忘れてはいけないのは、台北・新北にも、いい運転手さんもいる、ということです。

常連さんが一番前に席に座って運転手さんと楽しくおしゃべりしたり(話し込みすぎるのも危ないですが)、毎回バス停に着くたびに停留所の名前を言って、みんなが降りるのをゆっくり確認してくれる運転手さんもいます。厳密に言うとバス停じゃないところでも臨機応変に乗せてくれる運転手さんもいます。そういうちゃんとした運転手さんには、できるだけお礼を言って降りるようにしています。

おわりに

以上、台北・新北のバスに乗っていて遭遇した出来事でした。在台邦人にとっては「あるある」なこともかなり多いですよね。

共感してくださった方、「こんなこともあった!」という方、「思わず笑ってしまった」という方、ぜひシェア・コメントいただけるとうれしいです!

今回はここまでです。最後までご覧いただき、ありがとうございました!

コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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