「子ども生め生め」お節介な台湾社会/貫通石という謎の石

台湾生活
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こんにちは、たまごです。

先日家に帰ると、部屋の中に謎の石が置かれていました。

お、重い…。

夫(台湾人)にこのゴミは一体何なのかと問いただすと、

「貫通石」

だというのです。

貫通石とは何か?

「貫通石」とは、トンネル工事など様々な工事のとき、どこかを貫通させたとき最後に砕かれた石(というか、岩のかけら?)のことだそうで、一部の台湾人にとってはとてもありがたい石なんだそうです。貫通石が配られるイベントがあると、たくさんの人が行列を作って並んだりします。

以前高雄で250個の貫通石を配ったときは、30分ですべて配り終わってしまったとか。

▼貫通石 配布の様子

さて、もうおわかりの方も多くいらっしゃるかと思いますが、この貫通石、一体何がありがたがられているかというと、家の中に置いておくと子どもを授かることができるという民間信仰があるからなんですね。

由来は色々あるらしいのですが、一つは、岩が貫通するときの、石がボロボロ落ちてくる様子が、子どもを生んでいるように見えるからなんだそうです。(そんな風に見えるかな…?(^^;)

子どもを授かる以外にも、金運が上がるという信仰もあるそうです。

私からすると、その並んでいる時間を子作りや不妊治療や仕事に当てたほうがよほど効果があると思うのですが、

並んでいるのは子どもがほしい夫婦本人ではなく、その親や親戚だったりするケースが多そうです。

同僚のお節介なプレゼント

さて、今回うちにやってきた貫通石は、夫の同僚からのプレゼントです。夫は工事関係の仕事なのですが、どうやら同僚は最近道路工事を担当したようで、そこで通貫石を拾って来たようです。

同僚が事務所に帰って来て

「今日現場で貫通石拾ってきたよ!お宅、子どもはいるの?」

と聞いてきて、正直に「いません」と言ったら、半ば強引に持たされたのだとか…。

子どもがいない夫婦は、もしかしたら子どもがいない人生を選んでいるのかもしれないのに、そんなことはお構い無しで当然のように渡されたようです。

こんなもの引っ越しのときの処分に困るし、どこかで捨ててきてくれればよかったのに…(笑)

こういう「結婚しているなら当然子どもがほしいはず」「子孫繁栄」的な考え方をしている方は、感覚的には50代以上の方々多い気がします。

ただそれよりも若い世代の友人たちには「自然が一番」「生まない選択肢もある」ということを言われることもよくあります。そう言ってくれる友達の中にはLGBTの友達もいて、台湾では同性婚も認められています。あと10年もしたら「生め生め」文化もだいぶ変わってくるのかも?と思っています。

血縁重視

台湾人・・・華人は、日本人よりも血縁を重視している気がします。

日本だと、戦国時代、跡継ぎができなかった/跡継ぎが早くに亡くなってしまった武士が、他の家から養子を取ることは割とあったと思います。

事業をやっていて跡取りがいない場合、養子を取ることもあると思います。私の親戚でも養子として育った人もいます。

うちの日本の両親は、両親ともに、私たち夫婦に子どもができないことに対して一言も口を出しません。

ですので、台湾の親戚や同僚たちの「生め生め」攻撃に対するカルチャーショックはとても大きいです。

私たち夫婦は単純に結婚して数年経っても子どもができないという状態のですが、自然に任せる方針を貫いています。でも義実家に帰るたびにお義父さんに「早く孫を抱かせてくれ」と言われます。私たち夫婦はもう40歳なので、いい加減諦めてほしいのですが…。

私が夫に「そんなに孫がほしいなら、養子を取る方法もあると思うけど?」と言ったら、「頼むからそういうことはうちの親の前では言わないで」と言われてしまいました…。もし私が義実家で養子を取るなどと言い出したら、お義父さんに怒られてしまうからなんだそうです。怒る理由は、お義父さんがほしいのは自分の遺伝子を受け継いだ孫なのであって、それ以外の孫は論外だからなんだそうです。

そうはいっても、平均的な台湾人家族は、もっとうるさく口出ししてくるようです…。

私の場合は、お義母さんは静かな人なので、子どものことに関しては何も言いませんし、義理の両親とは別居で、毎日電話がかかってくるわけでもないので、台湾人と結婚した外国人の中では、気楽に過ごしている方だと思います。

なぜそんなに血縁を重視するのか…この問題に答えるには、もうちょっとお勉強が必要そうです。

今回はここまでです。今日もお付き合いいただき、ありがとうございました!

コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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