反面教師・台湾人夫と中国語(台灣華語)を学ぼう!

中国語学習
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こんにちは、たまごです。

私のツイッターの投稿をご覧になったことがある方はお分かりかと思いますが、私、普段夫のことをボロクソ言ってます(笑)

ものすごく天然というか、ぼーっとしていて、話し方も本当に適当なんです。

よく、「たまごが中国語を話せるのは旦那さんのおかげでしょ」などと言われますが、言語道断です!

うちの夫は、中国語がヘタなんです!

この記事を読んでくださっている方には、うちの台湾人夫を反面教師にして、同じ間違いをしないようにしてくださいね(笑)

母語が台湾語疑惑

私の夫は本省人で、遠い遠いルーツは福建省のあたりからやって来た閩南人です。

このため高雄の実家では中国語ではなく、99%コテコテの台湾語会が繰り広げられています。

台湾語というのはいわゆる閩南語で、中華系の一部の地域の人が話す方言とされています。

ちなみに台湾版中国語を、テキストなどでは台湾華語などと言ったりするようですが、大抵の台湾人はこの言葉を知りませんので、台湾人に「台湾華語」などと言うとたいがい「は!!?」と言われてしまいます。

台湾の公用語の中国語は、”國語”と言われることが多いです。普段話している中国語という意味では、単に中文と言われることが多いですね。


さて、夫が話す中国語(國語)があまりに適当なので、

「この人、母語は台湾語なのかしら?」

と思っていた時期もありました。

ただ…実家で家族と話しているとき、家族の中で夫だけ途中から中国語(いわゆる國語)になります。

結婚前は「台湾語がわからない私のために、翻訳してくれてるのかな?」などと思ったことがあります。しかしそれは大きな間違いでした。

夫は単純に、100%台湾語での会話ができないんです。

中国語も台湾語も中途半端。話し方も適当で、言葉に対してとても鈍感です。

海外で暮らし、日々 語学学習を続ける私にとっては、ものすごーく物足りない相手です。

その反面、中国語の適当加減がおもしろすぎるので、ここでシェアしつつ、一体どう言えば正解だったのか整理してみたいと思います。

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台湾人夫の間違い中国語

你要“上來”高雄嗎?

夫は一見優しそうに見えますが、考え方はとっても自己中心的です。

今は台北(正確には新北市ですが)で二人で暮らしていますが、

以前私が台北、夫は高雄で離れて暮らしていたときのこと。

とある週末、彼がおかしなことを言い出します。

台湾人夫你要“上來”高雄嗎?」(=高雄に来る?)

なんかおかしいんです。お気づきでしょうか?

私は台北におりますので、位置的には夫の住んでいた高雄より北なのです。北の方向や上の階に行くときに初めて”上來”という表現になるのです。

正解は你要下來高雄嗎?

ですが、彼にとって心理的に高雄が上座なので、高雄人夫の辞書的には”上來”が正しいのです。(一周してスゴイ!)

ちなみに夫は台中に住んでいたこともありましたが、台中に来るかい?と言いたいときも、台北にいる私に”你要上來台中嗎?”と言っていました。

匂いと味がごっちゃに

スーパーで2種類の洗剤を見比べているとき。「この二つって何が違うのかなぁ?」と聞いてみると台湾人夫はすかさず

台湾人夫「應該是…”口味”不一樣而已吧」(たぶん…味が違うだけでしょ)

たまご「洗剤飲むの!?」

正解は“香味”(香り)でした。

MRT北高線も作っちゃう?”搭”できるものが多すぎて…

選挙のために高雄に帰省しなければならなくなった夫。

台湾は住民票のような制度がないので、戸籍があるところでしか投票できず、期日前投票もなく、実際に帰省して投票しなければなりません。

台北から高鉄で南部に移動する人はとても多く、チケットはまたたく間に売り切れてしまいます。

選挙日の28日前、高鉄のチケットが売り出されます。

台湾人夫にチケット取れたかと聞いてみると、「ダメだった」と言います。

「えっ!?じゃあ台北から高雄までどうやって帰るの!?」と聞くと

台湾人夫「搭捷運」(MRTに乗って)

正解は”搭客運” (高速バスに乗って) でした。

MRT台北-高雄線…一体どうやって引く気なんでしょうか。

本当にいつも「腦袋放空」—頭の中が空っぽの状態で会話しております。

ちなみにこの“搭“って”坐”と同じように公共交通など自分で運転しない乗り物に「乗る」というときに使えるのですが、カジュアルな会話だと”坐”よりも頻繁に使われている気がします。

公車(普通の路線バスに乗る)

客運/巴士(高速バスに乗る)

捷運(MRTに乗る)

飛機(飛行機に乗る)

計程車(タクシーに乗る)

…いろいろ使えて便利です。

“手”だって動詞になっちゃう

わたしと一緒に生活するまで手洗いの習慣がまったくなかった台湾人夫。

今でこそコロナウイルス予防のためにちゃんと洗っていますが、前は帰ってきたらしつこく聞かなければ洗ってくれませんでした。

手は洗ったのか?石けんを使って洗ったのか?手はちゃんと拭いたのか?

今でも何度も聞かないと心配になるときがあります。この前あまりにも聞くのでうるさいと思ったのでしょうか?わたしがちょっと強めに「洗手了嗎!?(手は洗ったの!?)」と言いたら…

台湾人夫「”手”了!!」

たまご「!?」

(動詞+了)で「〜した」という意味になるんですけど、もう完全に文法が壊れてしまっています。「”手”をした」って…まったく意味を成しません。

正解は「洗了」でした。

ルー語の進化系!?日本語と中国語がチャンポン

私という人間をよりよく理解してもらうためにも、少しでも夫に日本語を覚えてほしい私。

ときどき日本語で話しかけてみます。

夫もなんとなく雰囲気で何を言っているのかわかるようなのですが…。

その日便秘気味だった台湾人夫に「ウ○チ出たの?」と日本語で語りかけると、

夫「嗯完了」(“ウン”し終わった)

中国語を話さない方も漢字を見ていただけるとなんとなくお分かりかと思いますが

中国語で”〜完了”=”〜し終わった” “〜できた”という意味です。

”〜”には動詞が入ります。

“嗯”は、あえてカタカナで表現すると”ウン”です。この字は通常あいづちや音を表すので、動詞の意味はありません。

ただ私が便秘の夫にあまりにも「ウ○チ出たの!?」と言うので、日本語の「ウ○チ」と中国語の「(嗯ウン)」をかけて、「嗯」=「大きい方をする」という新しい動詞を作ってしまったのです。

「嗯完了」は「ウ○チ出た」という意味でした。

※絶対にマネしないでください。

ここまで来るとこの夫、なんかスゴイでしょ(笑)

エピローグ:台灣國語

ところで夫の話す中国語はただの國語(台湾で話されている中国語)ではなく”台灣國語”です。

一言で言うと台語(台湾語)訛りの中国語のことです。

お年寄りや南部に多く、中国語にあって台湾語にない発音ができません。

一番大きな違いは、台灣注音の発音システム・ボポモフォ(bpmf)で言うと「ㄩ」、ピンインでいうと「u」の発音だと思います。

※ちなみにわたしは普段文字入力には台灣注音の発音システム・ボポモフォ(bpmf)を使用しています。台湾にいる場合は覚えるといろいろと楽しくて便利です!

以前夫に

「妳們公司ㄌㄧㄡˊㄉㄨㄥˋㄌㄧˋ(Liúdònglì)很高」

と言われたことがあります。

”ㄌㄧㄡˊㄉㄨㄥˋㄌㄧˋ”の意味がわからなかったので聞くと、人の出入りが頻繁で激しいことだそうです。

翌日会社でもその話になったので、同僚に自信満々で「我們公司ㄌㄧㄡˊㄉㄨㄥˋㄌㄧˋ很高」と言ってみました。でもみんなポカーンとしています。そして「ㄌㄧㄡˊㄉㄨㄥˋㄌㄧˋって何?」というので、説明すると言われたのは

「那是流動ㄌㄩˋ(lu)吧」

正解は”流動率”でした。

恥ずかしかった…めちゃくちゃ恥ずかしかったです。


前からなんかおかしいと思いっていたんです。

例えば高雄の家族はみんなわたし(玉子=ㄩˋㄗˇ= zǐ)のことを「イーズ=ㄧˋㄗˇ= zǐ」と呼ぶんです。

台湾就職した当初は高雄に住んでいて、そのあと台北の会社に転職したのですが、どうして高雄から台北に引っ越したら自分の名前が「ユーズ ㄩˋㄗˇ=Yù zǐ」になったのかそのとき初めてはっきりしました。國語的には「ユーズ=ㄩˋㄗˇ=Yù zǐ」が正解です。

要は高雄の多くの友達や家族は「ㄩ(u)」抜きの台灣國語で話していたんですね。

うちの夫(や一部のお年寄り、地方出身の方)は「ㄩ(u)」の発音ができませんから、注意が必要です。


もうここまで来ると、私のほうが台湾人夫より中国語上手なんじゃないか疑惑さえ浮かび上がってきます。

ただ、普段さんざん夫の台灣國語をネタ化している私ですが、夫には自分のルーツを表す台湾語を大切にしてほしいと、本当は思っています。

だから私の意見を言うと、夫にはこれからも台灣國語を話し続けてもらって正解なんです。

もっと言うなら、もっと上手に台湾語を話せるようになってほしいですが(笑)

本省人でも若い人は台湾語を話せる人は少なく、中には台湾語はカッコ悪いとすら思っている人もいます。これは第二次大戦後の台湾政府の教育方針も関係していることかもしれません。

個人的な意見ですが、もし台湾語を話す家系で育ったのなら、公用語の中国語と同じくらい、あるいはそれ以上に大事にすべきだと思います。

もし今後職場での会議が全編台湾語で繰り広げられたらかなりキツイですが……(^^;)そのときは またがんばって覚えます。

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こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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