ハネムーンはチェコ&ドイツ
こんにちは、たまごです。
今日は私の夫・台湾高雄人のコウさんがハネムーンのときにドイツ入国審査で引っかかったときのお話です。
台湾の大半の企業は結婚休暇(8日前後)をくれます。
こんなに長い休みを堂々と取れることもそんなにないだろうということでヨーロッパ、物価が台北とだいたい同じくらいで、あまりお金の心配をしなくていいということで、チェコをメインに回ろうということにしました。
飛行機の目的地と航空会社の選択ミス?
ドイツで警察に連れて行かれる伏線がすでに引かれ始めます(笑)
台湾からチェコへの直行便は見つかりませんでしたので、飛行機でドイツ(ミュンヘン)かオーストリア(ウィーン)のどちらかに入って、そこから陸路でチェコに行くという2つの選択肢がありました。
チェコに行くと決めたのが私だったので、着陸場所は夫に選んでもらおうということで聞いたら秒殺で
「ドイツ」
理由は、ウィーンの観光地よりもノイシュヴァンシュタイン城の方が有名だから。だそうです。
オーストリア・ウィーンも見どころがたくさんあるので、そんなことは絶対にないと思うのですが、夫は音楽にまったく興味がないので、ノイシュヴァンシュタイン城だけが妙に魅力的に映ったのかもしれません。
しかしこのドイツ、ヨーロッパの中でも特に入国審査や税関が厳しいんですね。後になって知りました。
そして航空会社を探しました。
友人らが台湾からドイツへ行くときは、エミレーツ航空やカタール航空を利用する人が多かったので路線を探してみましたが、その時は台北から2回乗り換えないとミュンヘンまで行けません。
ミュンヘンからチェコへ移動もあることを考えると、相当疲れそうです。
そこで別の航空会社も探してみたところ、エアチャイナで空席があり、台北から一回乗り換えでミュンヘンに行けることがわかりました。
エアチャイナ(通称: 國航)は、台湾のチャイナエアライン(通称: 華航)とよく間違えられますが、中国の航空会社です。
中国の航空会社に搭乗するということで、台湾人の夫は、中国渡航に必要な台胞證を携帯します。このことも、この後ドイツで起こる事態を若干複雑にする原因になりました。
パスポートランキングは中国よりずっと上
パスポートランキングと表現しましたが、それはヘンリー・パスポートインデックスというところが毎年発表している、「ビザ無しで入国できる国」の多い順位を示したランキングです。
2020年は日本が191カ国で一位となっています。これがたくさんの在外邦人が日本のパスポートを手放さない理由の一つかもしれません。
そして台湾はというと、146カ国で33位となっています(2020年)。全世界190を超える国と地域があることを考えれば、なかなか高い順位ではないでしょうか?ランキングでは、表記がTaiwan (Chinese Taipei)となっていますが、台湾の正式な名前は中華民国、英語名はRepublic of Chinaです。
一方、中国大陸、つまり中華人民共和国はというと、台湾からさらに約40位下の70位、ビザ無しで入国できる国は74カ国となっています。
ちなみに中華人民共和国の英語名はPeople’s Republic of Chinaです。
このように、パスポートのいわば信頼度は中国よりもずっと高いです。ただ、台湾の知名度はヨーロッパではたいへん低いということを、今回の旅で思い知らされることとなります…。
台胞證を携帯した理由
今回、空席が残っていた航空券のうち、乗り換え一回で済むのがエアチャイナだけでした。
中国大陸の航空会社であり、かつ北京経由だったので、台湾人は”台胞證”という、パスポートとは別の通行許可証が必要になります。これは台湾内で申請・取得できます。
要は中国は台湾のパスポートを認めていないので、パスポートとは別に、このような証明が必要なんですね。
実際、台湾から搭乗するときも、北京で乗り換えるときも、航空会社の人や空港職員から台胞證の提示を求められていました。こんな風に、目的地が中国本土でない場合も台胞證必要なケースがありますので、台湾籍の方は注意が必要ですね。
ところでエアチャイナの乗り心地はどうだったかというと、エアラインのサービスそのものはすごくよかったです!欠点と言えば、台北-北京間のエンターテインメントがないことが挙げられますが、それ以外は個人的にすごく満足でした。
キャビンクルーも笑顔で、よく気がつくし、ちょっとしたこともお願いすると感じよくサッとやってくれてすごく親切でした。クルーはみんな女性だったのですが、みんな真紅を取り入れたメイクで統一していて、綺麗で好感が持てました。
ネットで見てると、ハズレに当たってしまった人もいるみたいなのですが、私たちのときは機内食も結構おいしかったです。また利用したいと思います。ちなみに、スターアライアンス加盟なので、ANAやエヴァ航空、シンガポールエアラインズなどのマイルも貯められます。
ウキウキで到着
そんなこんなで、約17時間のフライトを経てようやくミュンヘンへ到着した私たち。
二人ともはじめてのドイツです。ウキウキで入国審査に進みます。
例によって(笑)私が先にカウンターに進みます。私が入国審査で聞かれたのは、ごくごく一般的な質問 −−滞在予定日数と、主な滞在地です。ミュンヘンとチェコ共和国のプラハで、7日間です。と答えると、ものの数秒で入国許可のスタンプが押されました。
続いて夫のコウさんを呼びます。コウさんは準備が悪く、パスポートがケースに入ったままです。なぜかケースごと検査官に渡してしまいます。
すると検査官、夫のパスポートを見てけげんな顔をして考え込んでしまいました。そして夫にいろいろ質問しています。でも夫はわかっていない様子…。なんとなくまずい雰囲気なので、カウンターに近づいて聞いてみます。
何か問題があるんでしょうか?
こちらの方のパスポート…サインがないんです。
え?サインがない!?
日本パスポート保持者から見ると、ありえないことではないでしょうか?
だって、日本のパスポートなら、サインした上に、ラミネートみたいなコーティングがされているから…。
ちょっと見せてください!!!
このデザインはダメだろ!?台湾のパスポートのレイアウト
ということで、夫のパスポートを見てみると…これは!!
台湾のパスポート。サイン欄は、写真のあるページの一つ前のページに自主的にサインするようなレイアウトのデザインになっています。
もしパスポート取得時にサインするのを忘れたら、当分気づかない…。
これでオーストラリアにワーホリも行けたし、韓国旅行も日本旅行も問題なく行けた
というコウさん。でもそれはたまたま見つからずにラッキーだっただけであって、しかもここはオーストラリアでも韓国でも日本でもなく、ドイツなのです。通関は他国のルールや実例は通用しません。
夫は自分の英語ではもう対応しきれないと悟り、大部分を私に委ねはじめました。
まずは、「とにかく悪意はなく、単純にサインし忘れたまま何年も経ってしまっているだけ」、ということを必死に伝えます。
そうしているうちに検査官、もう一つの謎のカードに気づいてしまいました。
では、このカードは何ですか?
このカードはビザですか?
この方は、何らかのビザを持ってドイツに入国しようとしているのでしょうか?
出た! 台胞證!!
そうです。先程コウさんは、ケースごと検査官にパスポートを渡してしまいましたので、そのケースの中に、運悪く台胞證も入っていたのですね。
検査官にとってはじめての台胞證…。そしてそこには“Mainland of China”の文字が。パスポートには“Republic of China”。検査官の混乱が始まります。
この方はRepublic of Chinaの方…つまりChinaの方なんですか?
違います!!ChinaとはPeople’s Republic of Chinaつまりmainlandのことで、彼は”Taiwanese”, 国名はRepublic of China、Taiwanという、中国の南の方にある小さな島国の国民なんです!!
I’m Taiwanese!
I’m Taiwanese!
I’m Taiwanese!
I’m Taiwanese…!!!
(心の声: 黙ってて!)
壊れたおもちゃのように「私は台湾人です」を連呼するコウさん。
すると検査官、少々お待ちください、と言って内線をかけ始めました。
(ドイツ語で電話中)&#&¥+%(&)&)()(&£π|÷π|π~√√~,
T A I W A N E S E…
{¢×^¶$=€π£=¢π¢÷|{°$°π¢$€×$°¥®€÷¢}^}^=¥=
¶¥=¢=¢{¥.ガチャ。
なんかヤバイ!?めっちゃ怖い!!これからどうなっちゃうの!?と思って検査官の方を見ると、
今からPoliceが来て、別の部屋でお話を伺います。
ドイツ警察の小部屋へ
けけけ警察!!
ハネムーンで入国拒否とかになったらどうしよう!!はじめてふたりでヨーロッパに来たのに…!
ショックを隠せずにいると、検査官が
今から警察官が来ますが、怖がらなくて大丈夫
どういうこと!?
サインの確認は、航空会社にも確認義務があるのです。だからお話を聞く目的は、旦那さんを責めることではないんです。
いくつか質問をされますが、正直に答えてくれれば大丈夫です。悪いようにはしません。
これを聞いてすっかりリラックスしちゃったコウさん。
しばらくすると、キュートな感じの女性警察官がやってきて、私たちを小部屋へと連れていきました。
かわいらしい感じの人が来たので余計緊張が緩むコウさん。このとき私はまだまだ緊張しています。
小部屋に着くと、用紙を持ってくるのでちょっと待っててくださいと、私たちふたりだけ部屋に残されました。するとコウさん、「ここがドイツの警察かぁ…」となぜかカメラを構えたのです。キレました…一体誰のせいで入国審査で止められているのか!どこに行ってもリラックスできるスゴイ台湾人夫です(-_-;)
聞かれたこと/声明書の内容
もし似たようなことが起こったときの心の準備のために、ドイツ警察の小部屋で一体どんなことを聞かれたかを記します。
質問は全部英語で聞いてくれます。ちなみにドイツの警察官や入国審査官はとてもはっきり話してくれます。入国審査官は超絶無表情でしたけど…いじわるな感じはまったくありません。
・目的地はどこか
・どこで搭乗したのか
・乗り換えはあったか
・どこで乗り換えたか
・どの航空会社を利用してきたのか?
・登場前に航空会社にパスポートを見せたか?
・搭乗中に航空会社の社員にパスポートを見せたか?
実際にはこの倍くらいの質問があったと思いますが、内容的には大体こんなことがA4サイズの用紙に書かれていて、口頭で答えた内容を警察官と一緒に一つひとつチェックしていきます。
この他にも
・なぜ出国スタンプがないのか
も聞かれました。(台湾の自動ゲートを通過しました)
すべての質問に答えたあと、用紙の下の部分に内容に相違なしとのことでコウさんがサインします。そして、ご結婚されてるんですか?と聞かれハイと答えると、じゃあ奥さんもということで、私も声明書にサインをしました。
そしてコウさんが、何年も空白のまま放置していたパスポートの署名欄にサイン。ドイツ警察のokが出て、はれて入国許可となりました!
警察官が入国審査カウンターを通過したところまで送ってくれて、
ドイツ楽しんでね!
ニコニコと手を振ってくれました。
よかった…本当によかった!!
ダンケ シェーン
エヘエヘ、今なんて言ったのー?
Thank you so much だよ!💢(もう!バカ!)
コメント