独学おすすめ台灣華語(中国語)テキスト&学習法〜ゼロからコテコテの台湾企業に採用されるまで〜

校舎のイラスト 中国語学習
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ゼロからの中国語

こんにちは、たまごです。
今日は私が中国語力ほぼゼロの状態から、どうやって中国語を使って仕事をするまでに至ったかのお話をシェアしたいと思います。

今の自分の中国語力に関しては、良くも悪くも中級レベルだと思います。今でもペラペラではなく、日々勉強が続いていますが、会社で仕事の話をしているときは、新商品の名前以外は何を話しているかほとんど分かります。そして、シンプルに落とし込んでですが、自分の意見も言えます。

よく初対面の人に「中国語はどうやって勉強したの?留学してたの?」と聞かれます。
タイトルに「独学」と書いたのですが、一ヶ月半短期留学していたことはありました。でも、留学としては期間が短すぎますよね。「その後どうやって勉強したのか、すごくふしぎ」と言われるので、その辺りのこともお話ししたいと思います。

語学留学

はじめて台湾に来たときは、東門駅の近くにある淡江大学の中国語教室に通っていました。


ゼロからの中国語学習だったので、最初はひたすら「您貴姓?(あなたのお名前(名字)は?)」からスタートです。当時の、外国語を最初から学ぶことへのワクワク感を思い出します。

ちなみに、言語学習は若いうちに始めないとダメ、ということをときどき聞きますが、そんなことは決してないと思います。
私が中国語を勉強し始めたのは31歳のときです。

小さい頃から語学をやれば、発音や文法の面では有利になるかもしれませんが、発音や文法だけネイティブでも、母国語や仕事の基本がしっかりしていないと仕事で全然役に立ちません。むしろ発音や文法は完璧でなくても、着実に仕事を進める力、その分野の知識、自分で考える力などがしっかりしている人の方が社会に必要とされるケースの方が多いと思います。

さて、語学学校では、名前の聞き方名乗り方、数字、日にち、曜日、時間、買い物関連の会話などを習いました。

その後南部へ自分で旅行してみて、最低限基本中の基本の中国語は通じる、という自信を得ます。

その後一旦日本に帰国してしまい、中国語とは全く接点のない仕事につきましたので、タイムラグが1年くらい空きます。

高雄の小さな会社に就職

その後1年近く日本で仕事をしたのですが、海外でフルタイムで働いてみたいという気持ちが強くなって、日本にいるうちに高雄の会社の仕事を見つけました。

この求人は、「日本語と英語でコミュニケーションが取れればok」ということだったので、ラッキー!という気持ちで応募し、採用が決まりました。当初はこの会社で働きながら、数年かけて中国語を勉強しよう、と思っていたのです。

女性2人が会話しているが、何か問題がある様子

ただ実際就職してみると、社長の日本語が思ったほどレベルが高くなく、朝会もオール中国語で行われたので苦労しました。

20年以上日本関連の仕事をしているという社長でしたが、日本語の言い間違いや聞き間違いが意外と多く、それによって起こったミスや不都合なことはすべて私の責任にされてしまいました。
個人的な意見ですが、やはり台湾人オーナーの会社に勤めるのであれば、意思疎通ができるレベルの中国語は必要だと思います。

高雄の会社で身についた中国語(たまに台湾語)

日本語と英語で仕事をしていたので当然といえば当然ですが、会社では中国語はほとんど上達しませんでした。

それでもよく聞く言葉は耳に残ります。
たとえば電話の掛け方で、最初どんなふうに言えばいいか、などは勉強になりました。

您好,這邊是XX公司,我姓○。請問 △先生/在嗎?

(こんにちは、こちらはXX社の○です。△さんはいらっしゃいますか?)

というような会話です。

また、南部の会社でしたので、台湾語が使われる機会も多かったです。

おかげで私は、返事をするときの「はい」をときどき

「ヘイッ」(嘿)

と言うようになりました(笑)
これは中国語: 中文の「是」に当たります。

カウチサーフィン/友人の紹介で言語学習のパートナーが見つかる

高雄で生活を始めた当時、夜間あるいは週末中国語学校に通おうと思っていたのですが、名門の文藻大学のアクセスがとにかく悪い…。
慣れない生活で毎日疲れていたので、語学学校探しもダラダラやっていました。

そんなとき、「現地の友達を作りたい」と、ランゲージエクスチェンジをネットで探し、参加してみました。週一回、高雄市の中央公園で開かれている集まりなのですが、当時は毎回20〜30人程度の台湾人と外国人が集まっていました。そこで台湾人の参加者に「通いやすい語学学校を探している」と話したところ、目からウロコの提案をされました。

友人: どうして学校にこだわるの?中国語勉強したいなら、

   言語交換(=ランゲージエクスチェンジ)しなさいよ。

  台湾には日本に興味持ってる人いっぱいいるんだから。月謝タダよ!

彼女は高雄で英語の先生をしているのですが、言語学習マニアで、フランス語にも興味があり、個人的にこうした集まりに参加してはフランス語スピーカーを探し、言語交換して語学力を伸ばしているんです。

彼女が提案するパートナーの探し方は、

●旅行や留学、趣味など、目的はどうあれ、冷やかしじゃなく本当に日本語を勉強したい人を探すこと。

●毎回テキストを使用して勉強すること。

●一対一でカフェやファストフード店で時間を決めて勉強すること。

●言語交換のパートナーは複数作ること。

中には日本人と出会いたいだけの台湾人もいますので、テキストを必ず使ってそれを進めていく、というのは具体的で良いです。

それから、ランゲージ・エクスチェンジのグループは台湾にいくつもあるのですが、話が上手な人がずっと話しがちですので、一対一だと本当に自分が練習/知りたい部分を掘り下げられます。

それから、言語交換のパートナーと会うのはそれぞれだいたい1週間に一度が多かったですが、複数いると学校に通っているか、それ以上の頻度で勉強することになります。
相手や自分に急用ができたときも、もしパートナーが一人しかいなければ、勉強会が二週間に一度などに激減してしまいますが、複数いればそこまで空白の時間を開けずに済みます。

相手がいるということで、動機づけも強くなります。私の場合怠け癖があるので、ただ学校に通っていただけでは予習・復習はそこまで積極的にしなかったんじゃないかと思います。〇〇さんと約束している、と思うと、じゃあこんなことを聞きたい、という風に、あらかじめ質問リストを作ったり、予習・復習も自然とするようになりました。

言語交換のメリット

●学費がかからない

カフェなどの場所代や、使っているテキスト以外のお金は基本的にかかりません。

●生きた表現が学べる
いろんな年代や性別の人と勉強すると、どういう属性の人がどんな言葉遣いをするのか勉強できてとても楽しいです。
実際に自分が使いやすい表現はどれなのか選部こともできますね。

実際にマンツーマンで言語交換したことがある相手は、

大学生(20代前半・男性)、英語の先生(女性・20代後半)、旅行業(女性・30代)、弁護士(男性・40代半ば)、弁護士(女性・40代前半)などの方々です。友達がさらに友達を紹介してくれたこともあり、当初はパートナーは2人くらいだったのですが、どんどん増えていきました。

そして4~5人のパートナーとの言語交換の日々が、約4ヶ月続きました。

どうして4ヶ月間で終わってしまうのかというと、この後高雄の会社をクビになってしまうからです。

その話は別の機会にするとして、言語交換のデメリットを考えてみましょう。

言語交換のデメリット

●教えてもらっているのは”正式な”中国語ではないかもしれない。

ネイティブスピーカーに教えてもらっているので、自然な表現であることは間違い無いと思います。

でも、たとえば日本語のネイティブスピーカーでも、「ら」抜き言葉があったり、敬語が完璧でなかったりということはあります。

言語交換で教えてもらう中国語が本当に正式な中国語かどうか保証は得られませんし、専門家でない限り、自分が教えている日本語もこれが「言語学的に正しい」ということは言い切れません。

もしそういう保証が必要な人は、やはり語学学校に行く/語学学校と言語交換を平行させる、というやり方をおすすめします。

●急用などで会えなくなっても、埋め合わせをしてあげられる/してもらえるとは限らない。

言語交換で相手に母国語を教えるのは仕事ではありませんので、埋め合わせのシステムもありません。

もし会えなくなってしまった場合は、その遅れを自分の力でカバーしなければなりません。

●自然消滅/やむを得ず終了

台湾人パートナーがだんだん疲れてきて、勉強会がただのお茶会になっていくケースが多かったです。

逆にすごくやる気のある子は、日本への就職が決まり、東京に引っ越してしまいました。

●変な人に注意

言語交換をしたいと言って反応してくる人たちの中には、単に日本人と出会いたいだけの人もいます。
ただそういう人たちは「テキストを必ず使ってお互い教え合う」ということを伝えれば、大概は手を引くと思います。

高雄は台北よりももっと世界が狭かったこともあり、共通の友人が複数いて、もしおかしな人がいれば割とすぐに見分けが付きました。

ただ、台北は、高雄より人口が多いので、その分匿名性も高くなります。

実際に台北のランゲージエクスチェンジのグループに参加したとき、そんなに必要性はない場面で異様に握手を求めて来たり、自分の社会的地位の高さをアピールしてくる人がいました。

Facebookの、台北のランゲージエクスチェンジグループのページで言語交換のパートナーを募集してみたこともあったのですが、返信をくれた人の中に「台湾大学卒業で、東京に不動産を持っている」という、言語学習となんの関係もないことを何度も送ってくる人もいました。

まったく興味がないので放置したところ、数ヶ月したら連絡が来なくなりました。

誤解しないでほしいのは、高雄にいい人が多くて台北に変人が多いという意味ではありません(笑)

どこへ行っても100%いい人たちばかりではないので、パートナー探しをするときはぜひ気をつけましょう。


Next: “中国語が必要な会社に採用された!” & “おすすめテキスト3つ“に続きます。

中国語が必要な会社に採用された!

高雄で勤めていた会社ですが、私が仕事を始めて半年くらいで経営状態が悪化してリストラされてしまいました。

当時は大ショックでしたが、これは台湾あるあるらしく、私の友人も同じような目に遭っています。でもその後彼も無事別の会社の就職を見つけていますので、みなさんももし同じようなことがあっても希望を持ってほしいと思います。

さて、クビになってしまった直後は「台湾でまだ何も達成できていない!台湾で仕事を探したい!」と思う反面、「まだ中国語ができないのに、どうやって探そう…」ということで、不安で頭がいっぱいになりました。

でも冷静になって考えてみると、4ヶ月言語交換で勉強していますので、初級は初級でも、高雄にやってきた当初よりも、中国語が使える範囲がだいぶ増えていることに気づきました。少しずつでも勉強を進めていたのは、不幸中の幸いでした。

それからは就職サイト104で、日本人・日本語ネイティブレベル・N1レベルが必要とされている企業に片っ端から履歴書を送って面接に行き、台北の会社で採用が決まりました。

転職してからはかなりの荒療治で鍛えられるのですが、長くなってしまうので、そのお話は別の機会にしたいと思います。

おすすめテキスト3つ

●『實用視聽華語』シリーズ

一冊目は大学で買いましたが、言語交換でも基本的に師範大学のテキストを台湾の大型書店で買って使っていました。

おなじみの台湾の中国語学習のマストアイテム!

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でもこのテキスト、表現がちょっと古臭かったり、今の台湾で実際に話されている会話じゃないような部分もあって、これだけに凝り固まるのも良くないと思います。

たとえば「畫畫兒」「一點兒」とか。ちょっと中国大陸風で、一部のおじいちゃんおばあちゃん以外こんな話し方はしないと聞きます。

他の欠点としては、とにかく重いことですね!

私はバラして必要な部分だけ持ち歩いていましたが、これもデメリットがあって、一つは紛失しやすいこと、もう一つは使い終わっても中古本屋さんに売れないということ(^^;)

中国語の厚いテキストをバラした様子
テキストをバラした様子。そのとき使う部分だけファイルに閉じて使っていました。でも本当に失くしやすい!

●文法のテキスト『the Ultimate Illustrated Chinese Grammar Guide 看圖學中文語法』(絵で学ぶ中国語文法)

中国語の文法のテキスト
中国語の文法のテキスト。初級編と上級編があります。

文法のテキストも使いました。
これは誠品の実店舗で買いました。

リアルな口語的な表現が多いです。
同僚や友人にも見てもらいましたが、「文例がとっても実用的(笑)」と笑っていました。(誰かが誰かにフラれて…というような例文も多いです。大人向けかも?)
イラスト、文法説明と練習の部分があって、飽きずに続けられるのでおすすめです。

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●實用商用會話(ビジネス中国語会話)

ビジネス中国語テキスト

仕事で中国語を使うようになってからは、實用商用會話(國立臺灣師範大學國語教學中心)というテキストも使ってみました。「I」と「II」二冊あって、特に「II」は貿易・商社関連の会話が豊富。

これは本当に実用的ですが、若干おじさん言葉のような古臭い表現もあります。
これはやはり友人に指摘してもらってはじめて知りましたので、やはり言語交換をしたり、気軽に聞けるネイティブの友人がいるのは、とても助けになります。

それから、これは内容的なこととは全然関係ないのですが、表紙の紙の質が異様に悪く、べロッベロになります(笑)気になる方はあらかじめカバーをするなど予防策をお願いします。

こちらの販売は台湾のみのようです。台湾在住の方はこちら實用商用會話からどうぞ。日本在住の方は、次回来台のときぜひ探してみてくださいね!

まとめ

今回は中国語の勉強方法の一つとして、言語交換をしたエピソードと、使ってよかったテキストをご紹介しました。

人によってこの方法の合う・合わないがあると思います。

みなさんもぜひ自分に合った方法やテキストを見つけて、楽しく勉強できるといいなと思います。

他にもこんな方法がよかったというお話があればぜひシェアしてもらえるとうれしいです。

一緒にがんばりましょう!

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ただのレッスンではなくて、「コーチング」なので、レッスン以外の学習方法や時間の確保などにもガッチリコミットしてくれます。

コーチングなので、決してお手軽ではないのですが、これまで独学や中国語レッスンで効果が出なかったという方や、目標がある「本気のかた」にピッタリ。

最短は2ヶ月コースから。カウンセリングは無料なので、気になっていることをドンドン相談されてみるとよいかと思います。

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コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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