引き継ぎは退職後に!?台湾人と日本人の時間感覚の違い [仕事編]

台湾カルチャーショック
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日本の取引先との時間感覚のズレ

とにかく早く返事をほしがる

台湾のお客様や同僚を見ていると、日本の取引先に比べると、回答を急ぐばかり、ミスが多くなるケースが多いです。これは中国の取引先とも共通することかもしれません。中国の企業に書類を依頼すると、異様に早く送られてきますが、複数のミスがあり結局何度も修正が必要になってくるケースが多いです。台湾の企業も、中国企業ほど極端ではないものの、こうした傾向があるように感じます。

一方台湾企業から見ると日本企業の回答は非常に遅いと感じられています。ただ、台湾の企業に比べるとミスはとても少ないです。また、プロジェクトを立ち上げる際、台湾企業は意思決定も早く初動は早いです。それに比べ日本企業は何ヶ月も計画を練るだけの時間が続いたりします。

もし台湾のお客様を抱えている場合は、すぐに回答できない内容の問い合わせの場合でも、「今どこまで進んでいるか」、「なぜ時間がかかっているか」、そして「確実に進めている」ということを、マメに伝えた方がよいかもしれません。

日本企業からすると、回答が早いだけで、その後たくさん変更があったりミスが見つかったりしたら、その回答には価値がないと考えるのではないでしょうか?間違いやミスが多すぎると、相手からの信頼が崩れてしまうのではないかと心配にもなります。

しかし、詳細を伝えずに「確認中です」「お時間をいただきたい」などと伝えるだけだと、台湾側は日本側をただ単に行動が遅い企業だと思ってしまう可能性が高いと思います。

いざプロジェクトが始動すると、台湾企業の計画が甘く、途中で多くの変更を余儀なくされ、結局ものすごく時間がかかってしまったり、途中でプロジェクト自体がとん挫してしまうことも少なくありません。

日本企業の場合計画が終わってプロジェクトが動き出した後はほとんど変更はなく、後半はとても順調に進みます。ただ、万一大幅な変更が必要になった場合は臨機応変に対応できないことも多いです。

コロコロ変更されると困るんだけど… (^^;) 続きます

変更が気軽

大プロジェクトでなくても、台湾のお客様が言ったことがコロコロ変わって困ることは多々あります。

たとえば、「○○を発注したい」というお客様からの連絡があり、購買担当者がメーカーに連絡し、購買のための社内りん議を回します。しかし、翌日になってお客様から「やっぱり数量を変更したい」「ロットナンバーが新しくない場合は発注を取り消す」などという連絡が入ります。このようなことが続いた結果、購買担当者は早く仕事に取り掛かっても手間が増えるだけだと思ってしまいます。このため、発注の連絡を受けてもすぐに準備をせず、まる1日程度様子を見てからようやく購買の仕事に取り掛かるようになります。

また、台湾企業は日本企業よりも何度も同じことを聞きます。おそらく、自分自身の変更が多いので、相手も何か変更点があるかもしれないと考えていのではないでしょうか。

私の上司は、1ヶ月前に私が受け取った日本の仕入先の見積書(6ヶ月有効)の金額が変わっていないか確認しろ、と何度も繰り返し言ってきます。

私は、あらかじめ「6ヶ月固定の見積もり」と言われており、かつ、相手が何も言ってこない限りは「価格変更なし」と認識しています。そして万一再度見積もりを聞いたがために、やぶ蛇になって値上げされる可能性の方を恐れているので、今手元にある見積もりのままで発注書を作って送ります。この方法で手違いがあったことは、ここ数年一度もありません。

当日 急に慌てだす

お客様で、急に重要書類(たくさんの確認事項があり、管理職のサインが必要なものなど)の要望を出し、「今日中にほしい」と言ってくる企業が少なくありません。

よくよく話を聞くと、その日突然開始した案件ではなさそうで、お客様の担当者が書類請求を忘れていたケースが多いです。

どのような道のりをたどって案件を進めるか、ということを考えるよりも、目の前のことだけを見て仕事を進めていた結果、今日締め切りの書類に突然気づいて慌て出した、という印象です。そして、もし間に合ってしまうようなことがあれば、この担当者は自分が無計画だったことを忘れ、また同じミスを犯します。結果を重視しプロセスを無視しているように見えます。

せめて前日に言ってくれれば間に合ったのに…ということが何度もありましたが、こういったタイプのお客様の教育をするのはとても難しいです。


以上、台湾人と時間に関する観察記(仕事編)でした。

他にもあると思うので、機会をみて追記したいと思います。

「あるある!」あるいは「違うよ!」ということがあればコメントいただけるとうれしいです。

おわり

コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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