ズル休み防止!台湾人社員管理法で勤怠・コロナ対策・夫の悪癖まで全部解決

台湾カルチャーショック
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蛇足:台湾人社員に決まりを守ってもらうには?

なぜ気温38度の台北でみんなおとなしくマスクをしているか

コロナウイルスの感染が広がり始めた頃、日本でマスクをせずに電車内でくしゃみをした人がいてトラブルになったという話題をニュースで見ました。また、外出を自粛するように政府からの要請があった時も、外を出歩いている人が後を絶たないという話も…。特に東京では、最近でも毎日のように新規感染者が増え続けていますね。

一方台湾では、公共交通機関の利用時にはみんなマスクをしています。封じ込めにも成功し、約2ヶ月間、市中感染ゼロの日々が続いています。

台湾で、気温30度台後半の日も、MRTの乗客全員がきっちりマスクをしている理由はなぜでしょうか?

それは、守るべき規定、ガイドラインと、それを犯したときの罰則が明確になっているからだと思います。

台湾では「公共交通利用の際は必ずマスクを着用する」というきまりができて、従わないと罰金を徴収されます。改札には係員の人がプレートを持って立っており、入場するときもみんなマスクをつけているかチェックされています。

日本だったら「みんながやっているから」ということが行動の動機付けになることが多いですよね。台湾もそういうところがないわけではないですが、日本に比べると個人の快楽を追求するほうが多いです。

もちろん台湾にはコロナウイルス予防への意識が高い人もたくさんいます。それでも、もしマスク着用の法律がなく、努力義務だけであれば、どうでしょうか? この湿度と気温で、マスクを着用して乗車する人はずっと少なくなると思います。

夫の悪癖も罰金制度で改善

さて、突然ですが、台湾人から罰金を取ることで一定の効果を得られた例としてうちの台湾人夫・コウさんのお話をしたいと思います。

私は夫と二人暮らしですが、私たちの家庭を会社に例えるならば私が社長で夫がやる気のない社員です。

夫のコウさんは38歳になりますが、股間をカイカイするクセが直りません。私に言われるまで、家族には一言も注意されてこなかったそうです。

家でやるだけならまだしも、外にいるときも思い切りカイカイしますので、この歳でこの癖を外でやるのは見た目はもちろん最悪ですし、衛生的にも問題ありです。でもいくら注意しても、夫は「極端にやる気のない社員」なので、なかなか改善しません。

そこである日夫に、

「幼稚園児ならまだしも、もうすぐ40歳の立派な大人が股間をそんなに頻繁にかくのは恥ずかしいことです。私がカイカイしているところを見つけたら一回10元の罰金制度を導入したい

と話してみました。これまでずっと注意していましたが、罰金の話を出したところで顔色が変わり、社長の本気を感じ取ったようでした。

夫にこの癖がどれだけみっともないか力説したところ、一応は納得してくれたようですが、よほど自信がなかったようで、

「一回10元はやめて!」

と罰金を値切ってきました。罰金制度導入そのものができなければ進歩がありませんので、「一回5元」で手を打ちました。

シモの罰金はシモに利用しようということで、このお金は、公衆トイレが有料の国に旅行した時に使うトイレチップに当てようということになりました。

悪癖を禁止してから、夫は夫で新しい技ーーポケットに手を入れたふりをしてポケットの中から掻くーーを開発するなどしましたが、ポケットカムフラージュは悪質だということで、見つけたら一回10元の罰金を徴収することとし、厳しく取り締まりました。

この制度を導入した瞬間から、1日に十数回もカイカイしていた夫が、休みの日1日1〜2回程度で済むようになりました。

頭ごなしに押し付けるようなやり方かもしれませんが、「お金」がかかってくると確実に一定の効果を発揮します。


それにしても、こんなにおじさんになるまでどうして家族の誰も注意しなかったのか、謎だなぁといつも思っていたのですが…昨年日本で私たちの神前式を挙げた時、正装したお義父さんが、大胆にも神社の鳥居の真ん前でカイカイしているのを目撃してしまいました!! お義母さんはとても優しい女性ですので、罰金は徴収しなかったようです。

まとめ

理想論としては職場の雰囲気を良くしたり、社員のやる気を上げたりすることが一番大事なように見えます。ですが、社長や管理職が1人で管理しきれる規模も違いますし、その時揃ったメンバーがどんな人かによっても違うので、「コレ!」という必勝パターンはありません。

つまらない方法ではありますが、台湾人スタッフの勤怠管理でお給料を引くことは一定の効果を発揮します

日本企業の管理職の方にとっては抵抗があるかもしれませんが、台湾人の方は、「こういうルールと決まっているんです」と言うふうに、最初から決まっていることとして説明すれば、割とキッチリ守ってくれることが多いです。

その反対で、一度特別に何かを許してしまうと「あのとき許可おりたよね、じゃあ次も」というように、自分に都合の良いように解釈されてしまいます。

日本とは文化が違いますので、ダメなものはダメと言わないと、冒頭でご紹介した日系企業のように、あとの管理が大変になります。

ただし、決まりを厳しくする分、遅刻しなかったら精勤手当を出すなど、何かしらの”やった甲斐”を受け取ってもらうことも大事だと思います。

日本人にとっては遅刻しないのは当たり前ですが、他の会社では15分遅刻しても何も言われないのに…とネガティブな気持ちになるスタッフは少なくありません。子供騙しと思われるかもしれませんが、こういう”気持ちの問題”を少しずつカバーしておくのも大事だと思います。

それぞれの職場の担当者が、それぞれの職場に合った管理方法を見つけられることを願っています。

おわり

コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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