日本-台湾結婚手続き[その1]日本で入籍!「中国問題」編

ビザ・居留証・戸籍・国籍等
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※これは以前書いた別のブログ記事の加筆修正版です。※

こんにちは、たまごです。

最近また友人から結婚手続きについて聞かれることがあったので、記録のためここにまとめておきたいと思います。

私が台湾籍のコウさんと入籍したのは、もう2年前のことになりますが、大筋はご参考になるのでは?と思います。

以前別のブログで書いた記事の再編集版となるので、ポイントは同じになりますが、せっかくなので、私の本籍地(盛岡)の写真入りでお楽しみください(笑)。(二人とも地方都市出身なので、移動にいちいち時間がかかります(笑)もはや帰省=旅行なのです。)

基本的な流れ

結婚手続きをするときの2人の属性

◆妻となる人◆

本籍地:盛岡市

居住地:台湾新北市

台湾でのビザ:就労ビザ

◆夫となる人◆

本籍地:台湾高雄市

居住地:台湾

大まかな流れ

日本(か台湾)で入籍

台湾(か日本)で入籍

居住国のビザ申請となります。

ご注意いただきたいのですが、私の場合は既に台湾で就労ビザを取得していたので、まったく新規で申請される方よりも台湾で必要な書類がやや少なくなります。

また、私たちは日本で先に手続きを行いました。

どなたか同じようなパターンの方の参考になればうれしいです。

必要な資料

日本の部分については、メールで自分の本籍がある役所へ問い合わせたところ、非常に丁寧に答えてもらえました。メールだと記録も残るのでとても便利ですね。

[台湾国籍の方との婚姻届を市役所に提出するもの。](盛岡市の場合)

1 婚姻届・夫になる人・妻になる人の各欄ヘの記入押印・証人欄(20歳以上の方2人)の記入・押印

※夫になる人の署名は本人の自署で本国の言語でサイン。

※婚姻届の用紙は日本の市役所のほか、台湾の交流協会でも入手可能なようです。証人二人のサインが必要なので、予め準備しておきたい方はどうぞ。

2 夫になる人の「戸籍謄本」と日本語の「訳文」 各1通

※戸籍謄本訳文は、本人が翻訳しても構わないとのことでした。翻訳者が個人の場合、翻訳した人の住所・氏名を記入します。

3 夫になる方の「パスポート(旅券)」と日本語の「訳文」 各1通

※パスポートの訳文は、当日役所で記入してもokでした。パスポートの内容はどこの国も共通しており、特に細かい翻訳の必要性はないと感じたので、私たちも特に前もって準備しませんでした。

4 妻になる人の本人確認書類※パスポートや運転免許証。

5 婚姻届に使用した印鑑※訂正箇所等がある場合に使用。

この後、台湾での婚姻届手続きのために、市町村発行の新しい戸籍謄本が必要となりますが、私たちは午後に手続きに行ったうえ、外国人と結婚する人があまりいないのか、処理に時間が必要とのことで、翌日の午後にもう一度取りに行きました。

このあと、東京等にある台北経済文化代表処に行って、新しい戸籍謄本の公証が必要になります。この手続きに関して、夫がミラクルを起こすのですが、これはまた次回お話したいと思います!

戸籍に“中華民国”が書けない!

ところで、戸籍上の夫の本籍地には”中華民国”と記入することはできませんでした。

これは、日本政府が台湾=中華民国を国として認めず、中国大陸=中華人民共和国を国と認め、台湾は中華人民共和国の一部という概念を(形式上)支持しているからです。

市役所の方が真剣に確認してくださった結果、戸籍の表記に使用するための資料には「中国」とご記入いただけませんでしょうか?と言われました。

普段怒ることがめったにない夫ですが、このときばかりは「好吧(”まぁ、いいだろう”のような、本当は納得していないニュアンス)」と言って、悔しさを押し殺したような表情をしていました。いずれにしても、私たちに選択肢はありませんので、「”中”華民”国”の”中国”だよ」と夫なだめて、納得してもらいました。市役所の方々も色々考えて、妥協案として「中国」という表現を出してくれたのだと推察します。

余談:「中華 “人” 民 “共和” 国 台湾“省” 」

数年前、私が台湾就職を目的に出国する際は、当時住んでいた仙台市で住民票を抜く手続きをしました。

住民票を抜く手続きの申込書に、今後どこの国に住むかを記入する欄があります。そこに最初、台湾の正式名称である「中華民国」と書いて窓口に提出しました。

係員さん:中華人民共和国に行かれるんですね

例の日本の態度を一瞬忘れていた私は(何言ってんだコイツ)と思ってしまいました。

たまご:違います。中華民国です。台湾です。

と言って、係員さんから用紙を取り返して、中華民国の横にキュッキュと「台湾」と書きました。

すると負けずに

係員さん:中華人民共和国の台湾省に行かれるんですね

と機械的に話しかけてきます。そこでようやく日本政府の台湾問題を思い出しました(私ボケボケですね)。

思い出すと同時に、日本政府が正式には台湾を国と認めていないということと、この係員のロボットのような態度に腹が立ったのですが、私には他の選択肢はありません。悔しい…。

最終的に私が書いた「中華民国 台湾」に、係員が赤ペンでガシガシと「中華 “人” “共和” 国 台湾“省” 」を挿入した上で「これで結構です。」と無理矢理受理されました。私も係員さんも態度が かたくなでしたね…(^_^;)

おわりに

婚姻届の手続き自体は、資料さえ揃っていれば簡単ですが、日本人同士の結婚と違って待ち時間が長くなる可能性があります。私たちは婚姻届当日も「中国問題」での待ち時間がありましたし、出来上がりも翌日になりました。理想としては2日くらい余裕を持って行くとよいと思います。

[ご注意]

必要な資料については、万が一不足があった場合、また飛行機に乗って日本と台湾を行き来するのは大変です。ルールが変わることもあると思いますので、日本・台湾共に、手続きをされる前に市役所や台北経済文化処などへ直接関連機関ヘ連絡を取り、最新の情報を確認されることをおすすめします。

コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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