台湾現地採用クビでも泣き寝入りしない!労働部弁護士無料相談&移民署でビザ猶予申請

弁護士相談 ビザ・居留証・戸籍・国籍等
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こんにちは、たまごです!

前回、台湾の会社から突然解雇された日本人の友だち、Tさんのケースをご紹介しました。心身ともに弱っていたTさんですが、意外と早く復活します。

今日は、退職した時の移民署などでの手続きと、解雇についての無料弁護士相談についてご紹介します!

大事な手続き!

何はともあれ移民署ヘ

ところで、クビでも自主退職でも、一番大事な手続きは移民署での手続きです。就労ビザで働いていた人が退職して、すぐに再就職するわけではない場合は、ビザの目的を就労から求職に変更する手続きをします

退職後は会社から「離職票」という書類をもらって、居留証を持って管轄の移民局へ行く必要があります。

就労ビザは退職したら切れてしまいますが、引き続き台湾で職探しを希望している場合は、半年間の求職のための期間をもらえます。「外国人居(停)留案件申請表」という用紙に記入して申請します。

それから、「このまま台湾に残って仕事を探したいので、少し時間をください」という内容の文・氏名・日付を書くように言われました。中国語でどう書けばいいかわからなかったTさんでしたが、窓口の方が「簡単でいいんだよ。じゃあ今から言うとおりに書いて」と言われ、そのまま書きました。たしか…「因還希望在台灣找下一份工作,需要一段時間。」みたいな内容だったようです。

すると、窓口で「内政部移民署 自行収納款項據」という、領収証兼証明書を発行してもらえます。正式な居留証が届くまでは、この用紙が居留証の代わりです。

この用紙があれば、出入国もできます。この用紙は、ビザの期間延長や、引っ越しや結婚などの変更のときも発行されます。この用紙での出入国は何度も経験済みです。

新しい居留証ができたら、管轄の区役所で健康保険の手続き

「全民健康保險保險對象退保申報表」と新しい居留証を持って行きます。

▼全民健康保險保險對象退保申報表は、ここからダウンロードできます。

衛生福利部中央健康保險署
衛生福利部中央健康保險署

そして半年以上停留する人は、そこで新たに健保に加入します。健保の支払いはコンビニでの払い込もできるようなのですが、とある事情でTさんは自分で払込をしていません。

居留証の住所が社長の便宜上会社の住所になっていて、Tさんの借りていた部屋も契約者は社長で、Tさんは契約書を持っていなかったので、居留証の住所はTさん自身では変えられませんでした。ですので、手っ取り早く会社の住所のまま手続きしました。

Tさんはその後台北の仕事を見つけて引っ越します。彼女は、会社から払込用紙を転送してほしかったのですが、なぜか社長がそのままTさんの保険料を払っていました。

政府機関(労働部)への相談

解雇に関して、友人の同僚の外国人が似たようなケースがあって法的に訴えたところ勝訴し、約30万元の賠償金を勝ち取ったと聞きました。その後再就職活動をしていたときも、日本企業の総経理面談で「それ訴えたら勝てるよ。高雄の仕事のために日本の仕事辞めてきたんでしょ?確か日本円で100万円くらいは払ってもらえるはず」と言われました。

実際のところどうなのかわからず、専門家に話を聞こうと色々調べてみたら、高雄の労働部に、決まった時間に弁護士さんが来て相談に乗ってくれていることがわかりました。

そこで言われたのは下記のようなことでした。

  1. 資遣費(会社都合で退職した時の補償金)は必ずもらいなさいということ、
  2. もしもらっていなければ、元雇い主に話をすること。もし雇い主が聞いてくれない・直接話したくなければ、労働部が調査に行ってくれるので、今日労働部で「申訴」すること。
  3. 裁判を起こすかどうかは個人の自由

解雇直後に社長に騙されていた

Tさんは社長に「資遣費を支払ってほしい」と連絡します。すると社長は

「あの5万元が資遣費」

と言うのです。以前アルバイト代として提示されたお金は、実はただの補償金だったと言うのです。

Tさんは病気で苦しかった上に、無償で利用されたことになります。Tさんは社長に騙されたのです。「クビになった時点でスッパリ関係を切って、治療に専念していればもっと早く回復したかも」と深く後悔します。でも、過ぎた時間は戻らないし、アルバイトの部分は例によって大きな声では言えません。

それでも社長に、話が違うと言うと、

社長は、「あなたはその間の家賃(月たった6000元でしたが)を私に負担させています。(おそらくそれで納得してほしいと言う意味)」というような内容のLINEを送ってきました。でも家賃の件は社長から進んで申し出られたことだったので残ったまでのことでした。幸運なことに、Tさんにはいざとなったら頼れる友人がいたので、別にその時住んでいたアパートに残らなければならない積極的な理由は全くなかったのです。ですから、そんなことを言われても腹が立つだけでした。

知り合いの弁護士さんにも相談しましたが、社長と直接話しても、これ以上はおそらくどうにもできないだろうと言うことで、もしどうしても納得がいかなければあとは裁判を起こすこともできるが、精神的な負担は重いだろうとのことでした。

結局Tさんは色々考えて、裁判を起こすことに労力を使うよりも、早く元気になって新しい仕事を見つける方が大事だと判断します。

その後、就職活動を始めて数週間、想像したよりもずっと早く新しい仕事が見つかります。お給料は、入社当時こそは最低賃金しかなかったものの、しばらくして昇給やボーナスがあり、あっという間に高雄の会社よりもずっと多くもらえるようになりました。

高雄 勞工 免費律師諮詢(無料弁護士相談)

高雄の労働者センターでは、毎週決まった時間に、労働者の権利を守るための、無料相談が行われています。当日の混み具合にもよりますが、一人15分で、予約した上で遅刻してしまった場合は3分だけ待ってくれるそうです。

Tさんは高雄の勞工申訴服務中心で弁護士さんに相談しました。一階の奥の方に弁護士さんがいる部屋があります。当日は少しだけ待ちましたが、思ったよりすぐに案内してもらえました。

この手の相談に来る人たちってたぶんみんな切羽詰まってるんじゃないかと思うのですが、名前こそ忘れてしまったものの、当日対応してくれた弁護士さんは笑顔でとても落ち着いた雰囲気で、相手に安心感を与えるようなかたでした。相談も親身になって聞いてくれて、行ってみて本当に良かったと思いました。

以下は2020年12月現在のタイムスケジュールです。

①高雄 勞工申訴服務中心

所在地:高雄市前鎮區鎮中路6號1樓

相談の時間:

毎週月曜日と木曜日の9:30~12:00

毎週水曜日の午後2:00から4:30

電話番号:

+886(0)7-812 4613 内線257または258

+886(0)7-813 3980

②澄清服務中心1樓

所在地:高雄市鳥松區大埤路117號1樓

相談の時間:毎週火曜日と金曜日の9:30~12:00

電話番号:+886(0)7 733 2860

場所・時間は変更になることもあるかもしれませんので、行く前にこちらのURLor電話でスケジュールをチェックしてくださいね。

他の地域の労働部の相談も、「勞工 免費律師諮詢」+ 地域名などで検索できます。

あえて高雄の拠点を紹介したのは、Tさんが実際に行ったことがあると言うことのほかに、高雄の社長の方が台北の社長よりも経営の仕方が相対的に適当なことが多いと思うからです。

https://labor.kcg.gov.tw/cp.aspx?n=29690B60441433D1&s=0CD6DE83B6F718F5

高雄 勞工申訴服務中心

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新北 義務律師免費諮詢(新北市の労働問題の弁護士相談)

新北市の弁護士相談はウェブ予約と電話予約があり、日によって、夜8時過ぎの時間帯も予約できる日もあります。

直接面談の他、スカイプ面談や電話相談もできます。

詳しくは下記のURLをご参照ください。

義務律師免費諮詢服務

直接訪問の場合は、所在地は下記となります。板橋駅から徒歩10分くらい。ここに停まるバスもたくさんあります。Google Mapなどで調べてみてくださいね。

◆所在地: 板橋區中山路一段161號1F西側

資遣費の計算ができるサイト

勤続年数が少ないほど、受け取れる金額は少なくなります。Tさんのように半年程度の勤続期間だった場合、約一ヶ月程度が妥当とみなされるそうです(弁護士談)。

資遣費試算表

違法解雇は労働部に行って相談できます。雇用主に「労働部へ行く」と言うだけでも、ある程度の効果があると思います。以前、退職前に未消化の有給を使わせないと言う会社に対して「労働部に相談に行く」と言ったら手のひらを返したように全消化していいことになったケースがありました。

さいごに

台湾での解雇には他にも社員側に非があるもの、ないもの、いろんなパターンがあります。台湾系企業で日本式に囚われすぎた日本人社員がバッサリ、台湾人営業職が、会社の商品を流用して別の商売をしているのがバレてバッサリ。

私もクビになった時はショックでしたが、不謹慎ながら、台湾人オーナーやそれぞれの社員が一体何をどう考えているのかがよくわかって興味深いと思います。もしもっと読みたいという方がいたら、これから何回かに分けてご紹介したいと思います。


日本の社長の中には、会社や社員や取引先のために身銭を削ったり借金をしたりしてなんとか商売を繋いでいるタイプの経営者もいます。日本で仕事をしているとき、出先でそういう社長たちを何人も見てきました。

台湾にはそこまで責任感が強い経営者はほとんどいないと思います。適当に事業を始めて、深く考えもせず人を雇って、面倒になったらすぐにバッサリ切る。口八丁で都合の悪いことをごまかしたりする。切られた社員の目から見れば不愉快ですが、少なくとも日本のように、社長がすべての責任を負って自殺してしまうようなことがないのは、いいことだと思います。

以上、何かの参考になればうれしいです。

コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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