こんにちは、たまごです。
今週、2021年のパスポートランキングが発表されましたね。日本は今年も変わらずの一位でした!では、台湾は一体何位だったのでしょうか?さっそく見て見ましょう!
そもそも”パスポートランキング”とは何なのか?
よくニュースなどに取り上げられる”パスポートランキング”とは、Henley & Partners というところが発表しているHenley Passport Index というランキングです。IATA (国際航空運送協会)のデータに基づき発表されています。パスポートに関してよく話題にされているのは、「ビザ無しで入国を許可されている国数」を並べたものになります。
日本は昨年・今年ともに一位で、現在ビザ無しで入国できる国数は191カ国です!
2位がシンガポールで190。
3位が韓国・ドイツで、189となっています。
知り合いの中国出身の方のうち、数人が中国籍を放棄し、日本国籍を取得していますが、理由の一つは、やはり国際的な仕事をする上で都合がよいためだそうです。
台湾の順位
では、台湾は何位だったのでしょうか?
2021年は、32位で、ビザ無しで入国できるのは145カ国となっています!
一方中華人民共和国の方はどうかというと、70位(75カ国)となっています。中国政府は、台湾は自分たちの国の一部だ、と主張していますが、実質的な国民の信頼度(相対的なものですが)は台湾(中華民国)のほうがずっと高いことがうかがえます。
ただし、国名の知名度はどうかというと、世界的に台湾の知名度は中国よりもずっと低いと思います。台湾人の友人らに聞けば、どこの旅行に行っても中国と混同され、地図のどこにあるかも知られておらず、毎回説明が必要になるシーンが多かったと言います。
昨年は、台湾パスポートのデザインが変更されることも話題になりました。IT大臣のオードリー・タンのマスク在庫システムなどのコロナウイルスの封じ込め対策の成功で、以前よりは世界的な認知度が上がったことを期待します。
▼ドイツの空港で、台湾の知名度が低すぎて大変なことになったエピソードはこちら!
台湾と国交のある国数
さて、パスポートランキングは中国よりもずっと高い台湾ですが、国交のある国はここ数年だけでもどんどん減っています。
私が初めて台湾を訪れた2014年ころは、まだ二十数カ国あったと記憶しているのですが、2021年1月現在ではたった15カ国になっています。
◆台湾外交部
かつて国交があった国も、中国からの圧力を背景に、台湾との国交を断絶し、その代わりに中国から多額の投資を得るということが起きているのですね。
台湾外交部のウェブページを見ると、そこにはもちろん日本の名前もありません。日本と台湾は、人やものの交流は盛んですが、正式な国交はありません。日本政府の公式な見解としては、台湾はあくまで台湾政府がその領域を実効支配(実質的に治めている)だけ、というものなんですね。
国交がないから領事館じゃなくて”経済文化代表処”
日本と台湾には正式な国交はないので領事館は置けませんが、国際的な領事を行う場所はあります。それが在日の「台北駐日経済文化代表処」なのですね。実質的に、行っているのは領事館の業務で、証明書発行や公証、パスポートの発行なども行っています。そして台湾には日本領事館ではなく「日台交流協会」というオブラートに包んだ名前の機関が置かれ、日本の領事サービスを行っているのですね。
実質的にはどちらの機関も領事館の仕事をしているので、領事館との違いは特に感じません。
ドラマでも出てくる”外交特権”問題
ただし、やっぱり経済文化代表処は非公式な機関であって、領事館ではないのです。
「グッド・ワイフ」という海外ドラマで、台湾の経済文化代表処のことが出てくるそうです(シーズン3第6話)。在米の台湾の経済文化代表処の職員の息子がある事件に巻き込まれます。一緒に事件に巻き込まれた、他の国の領事館の息子は逮捕されませんが、台湾の経済代表処職員の息子は逮捕されてしまいます。
他の他の国の正式な領事館に勤める外交官(とその家族)には、簡単には逮捕されない「外交特権」が認められるのに対し、台湾の経済文化代表処に勤める職員らは、アメリカと台湾に正式な国境がないという理由で、そこの職員は「外交官」ではないので、「外交特権」が成立しなかったというのです。
「外交特権」とは、外交官に認められている特別な権利です。外交官は国の代表として、様々な方面に影響が出るであろう重要な仕事を担っています。ですから、その仕事を止めないように、こうした決まりが国際法で決められているのですね。
しかし、もし何かの容疑がかけられた人(やその家族)が、そもそも正式な意味での「外交官」ではなかったら、「外交特権」も成立しないということだそうなんです。
◆FOX『グッド・ワイフ』シーズン3第6話
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今は日本、台湾、中国の間に大きな異常事態は起きていませんが、万が一、争乱などが起きた場合は、経済文化代表処も、日台交流協会も、非公式な機関に過ぎないということをつかれることがあるのかもしれません。そうなると、私のような在台外国人は不安定な立場に追いやられることになります。
まとめ
以上、駆け足でしたが、今年の台湾のパスポートランキングと、今の正式な国交のある国数などについてでした。
私はパスポートは日本で、これからも台湾国籍を取得するつもりはありません。今は、実質的にはまるで自分の国のように台湾で生活していますが、いざとなったら日台交流協会には100%頼れなくなる日が来るのかもしれないと想像するとゾッとします。海外で暮らし、現地の国籍を取得しないということにはこういうリスクもあるのだということを覚えておかなければいけないな、と思いました。
台湾と正式な国交のある国はどんどん減っています。万が一、それがゼロになってしまったら…?と思うと怖いです。そうならないよう、台湾の存在感や役割がもっと大きくなる一年になるといいなと思います!
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