ここ数年で日本でも注目されるようになった「プラントベース」と言う考え方。最近の日本の食品の展示会のセミナーでもこのプラントベースをテーマにしたものがよく見られるようになりました。
プラントベースって一体なんなのか?ベジタリアンとはどう違うのか?どうしてフェアトレードの話が出てくるの?台湾でもプラントベースって広まってるの?こうした疑問についてまとめてみました。
ちょっと前置きが長いので、台湾の部分だけ見たい方は、目次から★マークがついている項目に飛んでください!
プラントベース・ヴィーガン/ベジタリアンとの違い
ハーバード大学の関連学部のブログによると、こんな風に紹介されています。
プラントベース・もしくはプラント志向の食事とは、主に植物由来の食物に焦点を当てています。これには果物や野菜だけでなく、ナッツや種、油や全粒分、豆類、豆も含まれます。必ずしもベジタリアンやヴィーガンになって絶対にお肉や乳製品を食べてはいけないというわけではないのです。むしろ、食事の中に植物由来のものの比率を高めることなのです。
このページでは、地中海料理はもともとプラントベースの基礎が備わっているとも言います。地中海料理には時々シーフードやチーズなどの乳製品も含まれています。こうしてみると、”プラントベース”ってゆるい考え方で、実行に移すのもハードルが低そうですよね。
このプラントベースは主に欧米で広まっているそうなのですが、すでに協会もいくつかできていて、ある一定のレベルに達した食品には認証・・・つまり協会のお墨付きがもらえるそうです。
◆ハーバード大学 Harvard Health Blog “What is a plant-based diet and why should you try it?”
◆プラントベース協会
プラントベースを実践する理由
健康維持・ダイエット・動物愛護・宗教
ヴィーガン/ベジタリアンになる理由もプラントベースと重なっていますね。一体どんな理由でプラントベースの食事を実践するのかまとめてみると、「健康維持」「ダイエット」「動物愛護」「宗教」「サスティナビリティ」のようになると思います。この中でも独特だなぁと思うのが「サスティナビリティ」です。
サスティナビリティ(持続可能性)⇒環境保護⇒フェアトレード
サスティナビリティの考えに賛同してプラントベースを実践している人もいます。サスティナビリティとは、漢字にすると持続可能性という言葉になります。
今のペースで人間の人口が増え、それに合わせた食肉用の家畜を育て続けると、場所も資源も足りなくなってしまう、だから食べる肉の量を減らすようにしよう、という考え方なのだそうです。さらに、今の私たち人間は肉の取りすぎで成人病になったりすることも多く、こうした様々な意味で、今プラントベースを始めることは、これからも人間の次の代、その次の代もこの地球で生活していけることにつながる、という考え方です。
プラントベースの食事を実践している人の中には、フェアトレードに賛同している人も多いようです。どうしてフェアトレードの話が出てくのでしょうか。フェアトレードとは「公正な取引」のことです。ものすごくザックリ言うと、経済的に弱い国や地域で作られた商品が、安く買いたたかれるのを防ぐビジネスのことです。
たとえば経済的に貧しい国や地域の産物は、そこの人件費が安いので、経済的に強い立場の人から安く買い叩かれることも多いです。安く買い叩かれ続けた生産者さんたちはお金もたまらず生活も良くなりませんので、仕事ばかりが苦しくなって、生産活動が続けられなくなってしまいます。
天然由来のものの場合は、森林を何の計画もなく伐採したり、動物を乱獲するだけして、その時だけ儲ける業者がいます。環境保護のためにお金を使わず、ただただ安く大量に売り、資源が枯渇したらまた次の生産地を見つける…ということを繰り返していると、いずれ環境が破壊されて、異常気象が起こるなど、人間の生活に悪影響が出るのですね。
良い商品の生産や人間にとって住み良い環境を持続させるため、プラントベースに興味を持っている人の中には、フェアトレードにも気を配っている人が多いようです。
フェアトレードは、国際的な貿易に使われることが多い言葉です。ただ、イギリスなどでは、国内の取引でもフェアトレードという概念が当てはめられて、貧しい地域の人の生活と生産活動を守る取り組みが行われているそうです。
ポールマッカートニーも提唱する“ミートフリー・マンデー”
元ビートルズのメンバー、ポールマッカートニーらも提唱している「ミートフリー・マンデー」。別にガチガチのベジタリアンになったり、厳しい掟を守ったりするのではなく、週に一日だけお肉を食べない日を作ることで、環境保護に貢献しようという考え方です。ミートレス・マンデーなどの呼び方もあります。Yoko Onoも賛同して一緒にPR活動しています。
台湾にもこのコンセプトに賛成しているベジタリアンレストランがあって、月曜日が割引になっているところもあります。
★台湾ではどうなのか?
台湾で“プラントベース”は広まるのか?
プラントベースの中国語は“植物基”=plant baseとなります。通常会話などに出てくる“植物由来”の中国語は”植物來源”ですが、それとは区別して呼ぶようです。
言葉自体は入ってきているようで、2020年に業界新聞が記事に載せ始めたのが見られますが、実際に日常会話の中に出てくることは、ほとんどありません。台湾は日本に比べるとベジタリアン食のお店も豊富ですし、プラントベースは実践しやすいと思いますが、言い方を変えると、別にあえてプラントベースという言葉を使わなくても、もうすでにプラントベースのコンセプトを実践している人も多いので、そういう新しい単語は必要ないのかも…?とも思います。
ベジタリアンの種類についても、「一体どこまでを食べるか」を、”〇素”(蛋素で卵は食べるベジタリアン、奶素でミルクは飲むベジタリアン)というように、”〇〇までは食べるベジタリアン”という中国語独特の表し方があって、このほうがわかりやすいのかもしれません。
ただし、台湾の一般消費者は「〇〇認証」が大好きな傾向があります。たとえば台湾では、複雑な製造工程を経ていない/食品添加物が使われていないナチュラルな食品「クリーンラベル」の商品に、台湾のクリーンラベル協会の認証が与えられています。お買い物をするとき商品の良し悪しが判断できないと、〇〇認証・特許取得・〇〇から輸入した原料を採用!ということをチェックするのです。今後台湾でも、プラントベース協会ができたり、自社商品のアピールポイントを増やすためにプラントベースの認証が欲しいというメーカーさんが出てきたりするのかもしれませんね!?
ちなみに私はアンチクリーンラベルです。高温多湿の台湾では、食品には効果の高い防腐剤・抗酸化剤を入れてしかるべきだと思います。日本の食品添加物入りのフワッフワのパンやケーキも大好きです。香料も好きです。日本人の長寿が安全性の証明です。
プラントベース、ベジタリアンの種類 & 中国語
ここで、プラントベースと各ベジタリアンの中国語と、それぞれの人が食べる範囲をまとめて見てみましょう。
1.Plant base | プラントベース | 植物基
野菜の比率を高める考え方。
2.Semi-vegetarian or flexitarian |セミ・ベジタリアン|方便素
(ベジタリアン=素/素食)
卵や乳製品は取り、たまにはお肉や魚も食べます。
3.Pescatarian|ペスカタリアン|不吃肉(魚素)
卵・乳製品・シーフードは食べるものの、お肉は食べない。
4.Lacto-ovo Vegetarian|ラクト・オーヴォ・ベジタリアン|蛋奶素
卵・乳製品は摂るものの、シーフードやお肉は食べないベジタリアン。
5.Lacto Vegetarian | ラクト・ベジタリアン|奶素
乳製品は食べるけれど、卵・シーフード・お肉は食べないベジタリアン。
6.Ovo Vegetarian | オーヴォ・ベジタリアン|蛋素
卵は食べるけれど、乳製品やシーフード・お肉は食べないベジタリアン。
7.Vegan | ヴィーガン | 全素
卵や乳製品も含め、動物由来のものは一切食べないベジタリアン。
こうしてみると、プラントベースを実施している人と、セミ・ベジタリアンの人ってかなり重なっていますよね。
それから、こうやって書き出してみて、ある意味ベジタリアンな友達が何人かいることに気がづきました。(ペスカタリアンの友人と、「哺乳類は食べない」という自分独自のルールを持っている友人)
私自身も、実家を出て一人暮らしを始めた時は自分からお肉を買うことはほとんどなかったので、隠れプラントベースあるいはセミ・ベジタリアンだったのではないか?と思います(笑)。隠れセミベジタリアンだった頃、実家にいる時よりも人参をたくさん食べるようになったせいか、視力がちょっと上がるという不思議なことが起こりました。実家では、ほぼ肉と魚と米しか食べない父(肉食)に合わせていたので、野菜は少なかったんです。野菜を多く食べると健康になるっていうのは本当かも…?
みなさんのお家やご自身はいかがでしょうか?
台湾のベジタリアン人口と環境
台湾のベジタリアン(ヴィーガン含む)の割合は、300万人を超え、台湾全体の人口の約13%を占めているともいわれています。
以前マレーシアから台湾へ移動する時、たくさんのお坊さんと一緒に飛行機に乗りあわせたことがありました。台湾に何しに行くのかと聞くと、台湾の大学で仏教を学ぶためだと答えてくれました。実際台湾滞在中も、新店のあたりでたくさんのお坊さんを見かけました。コロナ後はこういう仏教留学の方も減ったと想像しますが、元々仏教徒に対応するようなベジタリアンのお店も、いろいろあります。いつ頃から今のようにたくさんのベジタリアンのお店ができたのかは定かではないのですが、いろいろなベジタリアン食品の工場の情報などを見ていると、1970年代頃には、すでに個人経営のベジタリアンの食堂なども開かれていたことがわかります。
◆ 非凡新聞「台灣素食人口破300萬! 蔬食文化成新主流」
★台湾ルール
ヴィーガンよりもさらに厳しい
私の勤め先の商社で食品を取り扱っているのですが、台湾のお客さんから、「食品メーカーからベジタリアン証明書を発行してほしい」と言われることがよくあります。毎回ではないのですが、お客さんによっては、「動物性由来のものが含まれていない」ことに加えて、「五辛」が含まれていないことを確認してほしいと言われることもけっこうあります。
「五辛」とは何かというと、「長ネギ」「玉ねぎ」「らっきょう」「にんにく」「ニラ」類のことです。日本語だと「五葷」に当たるようですが、日本ではねぎ・にんにくニラ・らっきょう・あさつき、とされることが多いようです。五葷を食べないベジタリアンを、オリエンタルベジタリアンとも言うそうです。
どうして「五辛」がいけないかというと、お客さんは仏教徒やお坊さん向けの食品を提供しているからなんですね。これらの「五辛」は、精がついてしまうので、台湾のお坊さんはNGなんです。宗教的なルールなので、普通のベジタリアンとは直接は比べられないにしても、ヴィーガンよりもさらに厳しい掟があって、それを守っているのは、単純に「スゴイなぁ!!」と思います。
ところで数年前に、主人公とお坊さんとの恋愛を描いた「5時から9時まで」という日本のテレビドラマがありました。あの番組を初めて見たうちの夫(台湾人)が「えっ日本のお坊さんって結婚できるの!!?キャー!!」と大騒ぎしていました。日本も昔はダメだったらしいのですが、明治維新以降結婚OKになったそうです。(…という情報を台湾の記事で知った私…。台湾人の方が日本人よりも日本に詳しいことってけっこうありますよね^^;)お肉もバンバン食べられて結婚もできちゃう日本のお坊さんは、台湾から見るととっても気楽なんだそうです。日本の仏教には日本の仏教ならではの解釈があって、明治以前も実は結婚していたお坊さんもいたとか。
◆彼岸寺(日本語) https://higan.net/somosan/2011/03/marriage/
旧暦の一日と十五日だけヴィーガンに
台湾の道教に基づく信仰で、旧暦の一日と十五日だけヴィーガンになる台湾人がいます。また、一年のうち一度、ある期間だけベジタリアンになる台湾人がいます。同じく道教の関係です。このある期間というのは、お神輿を担いで媽祖をお参りに行く繞境(ラオジン)の時期です。旧暦に合わせて毎年微妙に変わりますが、春と夏の間に来ます。
牛だけがダメな台湾の家庭も
台湾では、お肉の中でも牛だけがダメな人もいます。宗教的な問題ではなく、元々農業を営んでいた家庭では、昔から牛は食べないというところもあります。牛は農具を運ぶ大事な仕事仲間なので、食べてはいけないのですね。大人数で食事する時の感じだと、1テーブル十人中に一人か二人くらいはそういう習慣の家庭の人がいます。
レアケースですが、一生ずっと食べないというのではなく、その年の占いで出た結果に基づいて、その年は牛を食べないという人もいました。うちの台湾の親戚です。私と夫(台湾人)の日本でやった結婚披露パーティで牛を使ったメイン料理を準備していたのですが、夫の確認ミスで、夫の家族のうち数人が牛を食べられないと当日になりわかりました。打ち合わせの時わざわざ中国人スタッフさんにきてもらって、メニューをひとつひとつ確認したのに、まったく意味がありません。急きょ別のお肉に替えてもらって事なきを得たのですが、後で夫を徹底的にこらしめたことは言うまでもありません。
★台湾のベジタリアンの食堂・レストラン(代替肉を使用)
台湾では日本よりもプラントベースを実践しやすい外食のお店もたくさんあります。どんなお店があるのかというと、小さな食堂系(小吃店のようなお店)、おしゃれなレストラン・カフェ、ビュッフェもあります。
注意したいこととしては、小さな食堂系はおいしさを作り出すために油を大量に加えているところが多いことです。そしておしゃれ系カフェ・レストランは比較的高いので、現地採用組は毎日は行けません。台湾にはたくさんベジタリアンの食材店やレストランがありますが、ここでは私の好きな、比較的気軽に行けるお店を3つご紹介します!
全素ヴィーガンのパン屋さん:嬉皮麵包 HIP PUN ※2021年 2月中旬からフル改装中、一ヶ月くらいお休み
商品すべてが全素ヴィーガンのパン屋さんです。コーヒーなどの飲み物もあります。ブラックコーヒー60元〜。
チョココロネのクリームは見た目パサパサしていますが、食感はとてもなめらかでおいしいです。デコレーションもかわいい!一つ50元。
シナモンロールは外側がかなりクリスピーでサクサクしています。シナモンの風味がガッツリ効いてて、食べた感じがあります。50元。
ちゃんとしたチョココロネやシナモンロールって、台湾のローカルのパン屋さんにはなかなかないのでうれしいです。
他にもベジタリアン肉を使ったパンもありました。ソーセージ部分はほんの少しだけハーブの香りがして爽やかです。ソーセージの部分はおそらく大豆たんぱくで作られていると思われます。(55元)
価格もそんなに高くないので頻繁に買いに行けるのもいいですね。
嬉皮麵包 HIP PUN
所在地 台北市中山區四平街七號
量り売りの自助餐:十方齋素食館
素食の自助餐で、自分でトングを持って盛り付けます。お会計の時は重量を測って、その重量に応じて金額が決まります。ご飯(白米・五穀米)とスープはオプションで、ご飯とスープをつけると10元くらい金額がアップします。私の重さだと普段は大体ご飯とスープをつけて110元くらいです。このお店のおかずは、油っぽいものもありますが、そうでないものもたくさんあって、味付けもそれぞれのおかずで違うところがいいです。スープは日替わりで、毎日2種類あります。アンジェリカの根の薬草のような味のスープや、わかめスープ、味噌汁などがあって、組み合わせは日によって違います。私は味噌汁以外が好きです。アンジェリカは女性ホルモンのバランスを整えます。そのせいか疲れているほどおいしく感じます。
自助餐以外にも、麺などのメニューがあって、自助餐よりも安上がりになります(80元前後など)。でもおかずがけっこうたくさんあって楽しいので、自助餐の方ばかり食べてしまいます。
お店の中に仏教っぽい張り紙や写真があります。静かな音楽が流れていますが、これもなんとなくブッダが出てきそうな音楽です。他の宗教を信仰している人は気になるかもしれません。
ラオバンが優しいです。
十方齋素食館
所在地:10491台北市中山區松江路108巷10-1號
営業時間:月曜日〜金曜日 11:00〜14:00、17:00〜20:00
CNNにも取り上げられたベジタリアンビュッフェ:果然匯
台湾在住のかたや台湾通のかたはよくご存知かと思いますが、台湾にはベジタリアンビュッフェもあるんですね。このビュッフェのお店:”果然匯”はCNNニュースにも取り上げられました。台湾はアジアの中でもベジタリアン先進国なのですね。
台北市内の他に、新北市の板橋にも1店舗あります。他にも、桃園と高雄にも店舗があります。台北と新北のお店はどちらも行ったことがありますが、どちらも同じく盛況でした。
予約すると前日くらいに謎の携帯番号から何度も電話がかかってきて、何かと思ったら果然匯からの予約確認でした。取らないと何度もかかってきます。ご注意ください…。
◆果然匯
★台湾のベジタリアン食メーカー(代替肉)
過去の食品偽装事件
台湾では食品偽装事件が日本以上に多いのですが、ベジタリアン食品に関しても過去に事件があったそうです。
2004年にとある協会が、とあるベジタリアン食品に対して疑問に思い、台湾政府に検査してもらったところ、15種類もの動物由来成分が発見されました。その後も調査が続けられ、該当の原料の出どころとみられる工場を突き止めましたが、この工場は立ち入り調査を拒否したとか…。特に宗教上の理由でベジタリアン食を摂っていた方々のショックは想像を絶するものがあります。
この事件の後、偽ベジタリアン食業者はある程度淘汰されたのでは、と思います。
◆当時のニュース
台湾の大手ベジタリアン食品メーカー
ベジタリアン食品のメーカーはたくさんありますが、大きな会社ではたとえば以下のようなところがあります。
●VEGEFARM CORP 松珍生物科技股份有限公司 日本語ページ
▼製品ページもぜひ見てみてください!!高級レストランか?と思うようなすごく綺麗なお料理の写真がたくさんあります!!
ベジファームは日本進出にも積極的な会社で、最近ではイオングループとの提携も行っています。台湾のセブンイレブンやファミリーマートなど、コンビニ向けのベジタリアンフードも作っています。こちらの企業もハラルを取得済みで、ユダヤ教の教えに対応したコッシャーも申請を進めているそうです。
よく見ると、ローカルの食堂で見たことのあるおかずがベジファームの商品と激似。一部は食堂で自分で作って、一部はこういうメーカーさんから仕入れているんでしょうね!
●Stentorian Industries Co., Ltd. 新哲興業股份有限公司ブランド名:Vetex(R)
1991年に設立。早くからベジタリアンミート製造設備を取り入れ、商品を製造してきた会社です。イスラム教の教えに対応した、ハラル(Halal)も取得しています。
日本はハラル、コッシャーの取得をしていない食品メーカーが多いですが、こうした認証を取得していれば、日本国内の各信者さんに食べてもらえるだけでなく、海外へ輸出できる範囲も広がります。宗教フレンドリーという意味でも日本は台湾よりも遅れています。
まとめ
台湾でのプラントベースとベジタリアンの状況についてざっくりまとめると、下記のようになるかと思います。
●プラントベースという言葉はメジャーではない
・もしかしたら商業的な意味でこれから広まっていくかも?
●プラントベースは実践しやすい環境にある
・ベジタリアンやヴィーガン対応のお店やレストランは豊富で日本よりもずっと成熟している
・日本と比べて、様々な信仰や考え方を持った人が、自分に合った食べ物を選びやすい環境にある
どういう立場でこの記事を書いているか
私自身は、ベジタリアンではありません。「動物が好きだから」という単純な理由で、漠然とベジタリアン・・・ヴィーガンになれたらいいな、と思うことはあります。ときどきベジタリアンの食堂やレストランに行って食事もします。おいしいところはおいしいですし、身体にもいい感じがします。
ただし、完全なベジタリアンやヴィーガンになることは諦めています。どうしてかと言うと、植物性のものだけが一週間以上続くと、決まってめまいやふらつきなどの不調が出てくるからです。
どなたかのウェブサイトで、「野菜だけだと不調が現れる人は、それも自分の個性だと受けとめましょう」と書かれていて、なるほどそういう考え方もあるのか…、と妙に感心してしまったものです。
個人的におもしろいな、と思っているテーマは、「ベジタリアン食に、肉に似せたベジタリアンミートは必ず必要なのか?」ということと、「肉食動物をペットとして飼っている人は、ペットフードもベジタリアンにするのか?」*ということです。正解や良い/悪いはないと思いますし、答えは人によると思いますが、みなさんはどう思われますか?
*私は猫が好きなのですが、以前飼っていた猫が金魚を食べたり、外に出てよくネズミやスズメを仕留めていたことを思い出します…。飼い主の方がベジタリアンの方だったら、複雑な気持ちになるのでは?と思います。
参考にした本
Vegetarian Taiwan Travel Report という、短い本ですが、前半で台湾のベジタリアンの状況について、分かりやすくかつ全体をカバーするようまとめられています。後半では、台湾のおすすめのベジタリアンレストランや、ベジタリアンレストランの探し方などが紹介されています。
この本でも紹介されていたのですが、もし英語が嫌でなければ、ハッピーカウというウェブサイトがおすすめです。ベジタリアンやヴィーガンの人たちなど、一般の人の投稿によって情報が集められていて、近くにあるベジタリアン/ビーガンのお店を検索できます。
[PR]
Vegetarian Taiwan Travel Report (English Edition)
◆Happy cow
その他の参考URL
◆全球植物基市場增長率達57%!「植物蛋」創新運用再升級https://www.foodnext.net/column/columnist/paper/5357476394
コメント