花蓮おすすめのお寺:かわいい虎爺&土地公,媽祖廟の千里眼&順風耳etc.

旅行(台湾)
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こんにちは、たまごです!

私は旧正月を台湾で過ごす場合は、花蓮の親戚の家に行くことになっています。旧正月に花蓮に行くとどうなるかというと…、とにかく連日お寺への拜拜に連れて行かれます!

お寺によって神様や銅像もけっこう違っているのでおもしろいです。地域性もあるかもしれません。今回はそんな花蓮のお寺を、少しだけご紹介したいと思います!

花蓮福安廟 かわいい虎爺(フーイエ)/土地公 ⭐︎おすすめ

花蓮の地域信仰の神様(土地公)がいるお寺です。

先に一階でお参りして、そのあと二階へ行き、一番大きい土地公という地域の神様をお参りします。

ここでは10本のお線香を使ったと記憶しています。①お寺の建物の外中央に3本、②中の神様に3本(お寺の中央)、③外に三人の神様が並んでいるところと、④3人の右手にいる神様と、⑤階段を上って上の階にいる巨大な神様と⑥フーイエには各一本、お供えしました。

ここのお線香はとてもむせやすい、粉っぽい煙が出るタイプです。垂直に立てて、自分の顔よりちょっとだけ上の方に持つと煙をあまり吸い込まずに済みます。他の人にも灰がかかりにくくなります。

これで終わりではなく、一番最後に一階に戻って来て、中央奥の神様の足元にいる猫サイズの”虎爺“(フーイエ)をお参りします!一番最後にお参りするラスボス的な存在なのにこのサイズだなんて…このフーイエがすごくかわいかったのですが、狭くて小さい空間だった上にたくさん人がいて、写真が撮れませんでした……。台湾のお寺ブロガーさんが写真をアップしていたので貼り付けたいと思います。【2022年更新!】フーイエの写真が撮れました!下の方に載せているので、スクロールしてご覧下さい。機会があれば実物もぜひご覧下さい。

【2022年更新!】

虎爺の写真撮れました!

一階の一番奥の真ん中の、足元にいます。一番最後にお参りします。

虎爺の好物の卵がお供え物です。2022年は寅年ということもあってか、去年よりお供え物が多い気がしました。

生卵をパックのままお供えしている人もけっこういます。卵は、お供えして全部の神様を拝み終わった後に、みんな持って帰ります(笑)

このお寺は土地公・・・地域信仰の神様をメインに祀っているお寺ですが、媽祖(マーズ)など、他の神様をメインにお祭りしている媽祖廟でもフーイエがいるところでは、生卵パックをよく見かけました。(台湾も日本と同じでたくさん神様がいますね。)

旧正月だけでなく、初二・十六(土地公は旧暦の一日・十五日ではなく、二日と十六日)や、特別な行事の時は混む可能性があります。真剣にお祈りしている方のじゃまになるかもしれないので、写真を撮りたい場合、特にその日は注意したほうがいいかもしれません!

所在地:花蓮縣花蓮市廣東街127號

電話:+886 (0)3 832 6092

地図:

花蓮慈天宮 ⭐︎おすすめ アクセス良し

ここは媽祖を祀っているお寺です!規模は大きくはないのですが、歴史があり、地域の人たちからのお祈りが絶えないお寺です。もともとこの場所は日本統治時代に仏教のお寺があったのですが、日本の敗戦後の1949年に、地元の黃昆峰さんという方が 受け継いで、媽祖廟に変えたということです。その後花蓮大地震の被害に遭いますが、地元の有志の方々で再建し苦難を乗り越えて今に至っています。

写真は爐では、お金に模した黄色い紙を、ここで燃やしています!

ここでも、参拝客によっては生卵をパックのままお供えして、ちょっと5分くらい経ってからまた回収しにくるということが行われていました!

後でわかったのですが、この小さい炉が、フーイエを祀った虎爺爐(フーイエルー)なんだそうです!

そしてその右手には、虎爺亭があって、中には猫よりもさらに小さいサイズの虎爺がいます…!

正面からだと完全にお線香に隠れてしまっていますので、斜めから覗きます。


このお寺で他にも特徴的だと思うのは千里眼と順風耳です!この二人は媽祖(マーズ)を守る神です。ジッパーが見えています。お寺の活動がある時、着ぐるみのように着るのでしょうか?

花蓮市花蓮縣花蓮市忠孝街82號

+886 (0)3 832 2965

5:00~21:00

ところで媽祖・千里眼&順風耳とは?

媽祖は多くの台湾人の心のよりどころ

媽祖とは、もともとは福建省あたりに住んでいた女の子だったそうです。海難事故で家族を亡くしたのをきっかけに、海難事故防止のために明かりを持って海岸に立つようになります。生涯独身を通すことを決心し、お祈りを続けたそうです(出家みたいな感じでしょうか)。

しかし、そのマーズも、28歳のときに海の事故で命を落としてしまいます。マーズが亡くなったことを認めたくない港の人々は、マーズが神聖な場所へ行ったとか、神になったという言い方をしたそうです。

その後神としてお寺に祀られたマーズ。今では台湾のシンボル的な神様になっています。天上聖母、天妃娘娘、海神娘娘、媽祖菩薩などという別名もありますね。天上聖母は特によく見かける気がします。あのお寺もこのお寺も、実はマーズを祀っていたのですね!

春のマーズの誕生日(旧暦の3月23日)の頃には繞境(ラオジン)と言って、台湾の中部で1週間かけてお参り(お神輿のようなものを担ぐ)をします。信心深い方は一年に一度、1週間仕事を休んで、この活動に参加します。

数百年前に、中国大陸から台湾島に移民して来た今の本省人の多くは、福建省のあたりがルーツです。大陸から海を渡ってやって来た自分たちを守ってくれるマーズ・・・という思いがあるのかもしれません。

いつか台湾人のご年配の方に、「あなたも移民だから、媽祖をお祈りするのはピッタリだと思う」と言われたことがありました。その時はどういう意味なのかわからなかったのですが、ご老人にとっては私も海を渡って来た移民ですので(実際には飛行機でピューッとやって来たわけですが…)、媽祖に守ってもらうのは理にかなったことだったのですね!

千里眼&順風耳とは?

昔々、目のよく見えて千里まで見渡せる「千里眼」と、耳がよく聞こえて千里先の音までキャッチする「順風耳」と呼ばれた兄弟がいたそうです。このふたりは戦争で活躍していましたが、ある時敗戦しています。その後、山で悪さをするようになっていたところをマーズにつかまり、観念したふたりはマーズを守る家来として、マーズの左右に立つようになったそうです。ふたりの体の色は、赤と青、赤と緑などとなっていることが多く、それぞれ太陽と空、あるいは火と水を表しているそうです(お寺によって解釈が違うようです)。※諸説あるそうです。

台湾のご老人は、ふたりは人々の苦難を見逃さず、耳を傾けてくれるんだ、と言っていました。

普明寺 ~ 一見民家のような仏教のお寺。日本人創立者の子孫との交流も

一見民家のような建物…実は立派なお寺なんです。中で何人ものお坊さんが真剣にお経を唱えています。

こちらは日本統治時代からある仏教のお寺です。実は日本時代の1921〜1922年に、嘉村さんという花蓮港北埔農場の主任の方が、山から移住して来たタロコ族の心をなぐさめると共に、コレラの感染の終息を祈ることを目的にお地蔵さんを建てたのが始まりなんだそうです。

当時、原住民にこれは何ですか?と聞かれて日本人の警察官は「ほとけさん」と答えたようなのですが、現地の方々からは「アイカトさん」(「埃卡托山」)のような発音で呼ばれるようになり、戦後には「佳民村」と名前が変わったそうです。お寺の隣は警察署になっていて、犬が2匹まったりと過ごしています。警察署で飼われているようで、警察官になついています。※台湾の地方の警察署では犬を飼うことが結構多いそう。

現地では、嘉村さんのお孫さんの方から送られた中国語のお手紙が飾られています。個人のお手紙なのですが、嘉村さんがお地蔵様を作った理由が素晴らしいと思ったので写真を載せます。

「四海同朋無差別」-人類みな友人、違いはない。

1920年代当時、個人が自分の考えで何かできることって限られていたと思うのですが、そういう環境下でも「できる限りのことをしたい」と思われたのだろうなぁと想像します。もし自分だったら同じことができるだろうか?と考えさせられました。日本統治時代、台湾人に対して偉そうに差別的に振る舞った日本人もいた中で、こういう人格の優れた方もいらっしゃったのですね。戦後もお寺の方と子孫の方が個人的な繋がりを続けているとは、うれしいというか、感動的な気持ちになります。

▲こちらは裏庭の樹木とお地蔵様です。樹齢百年を越えるパンノキと思われます。他にも樹齢200年のアカギの木や、樹齢100年のクスノキがあるそうです。

▲お寺の敷地のあちこちに蘭が植えられている他、ツバキのような花も咲いています。(親戚のみんなは茶花(サザンカ)と言っていましたが…)

URL:https://www.hccc.gov.tw/zh-tw/CulturalHeritage/Detail/135

所在地:花蓮縣秀林鄉8鄰佳民路121號(上記URLの住所よりもこちらの方が見つけやすいです)

地図:

鯉魚潭でもボートに乗らずひたすら拜拜!

続いては、鯉魚潭の拜拜スポットです。

ここは市内中心部から車で30〜40分くらいかかります。観光客の場合、ここのメインアトラクションはボートに乗ることだと思うのですが、うちの親戚はこの湖のほとりの小さなお祈りスポットへ直行です。

親戚たちの話によると、以前この湖では夏になると水の事故が発生していたそうで、亡くなった方もいたそうです。このままではいけない!と考えた地元の人たちがお金を出しあって建てたのが、このお祈りスポットなんだそうです。ここで、霊を慰めるとともに、みんなの安全を願っています。この場所ができてから、重大な事故は起きなくなったそうです。

私の夫の亡くなったアマー(おばあちゃん)もこの場所を建てるのに協力したほか、他の親戚らも寄付をしたということで、一族みんなでこの湖の安全を祈っています。上に飾ってあるぼんぼりに、寄付した方々の名前が入っています。

宗教団体ではなく、地元の人たちが中心になってお祈りスポットを作ってしまうという、そのパワーがすごいです。

ここのお線香はなぜか「香港スタイル」の太いお線香で、文字が書かれています。変わっていますね!みなさんももしお近くに立ち寄ることがあればお祈りしてあげてください。

地図(所在地:花蓮縣壽豐鄉環潭南路2號付近。地図に載っていないので、便宜上、近くにある延寿亭の場所にしています。実際には北に向かって延寿亭の左側にあります。)

▼他にもよく行くお寺:タロコの祥德寺

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おわりに

今年も花蓮の親戚にくっついて、計4カ所をお参りしたわけですが、この4カ所に行くのは親戚のおきまりのコースになっています。日程が許せばもっと多くの場所を拜拜します。

日本人の私からすると、初詣は新年に一カ所神社に行けばそれでOKなので、一カ所ではダメなのか?と思ってしまうのですが、こうやって何カ所もお参りするのは、台湾のご老人にとっては普通のことなんだそうです。

それから、台湾の「お寺」にも色々あって、信仰の形も独特だなぁと改めて思いました。簡単にまとめると:

仏教のお寺にも道教のお寺にも、抵抗なく両方行く台湾人が多い

お寺の成り立ちは色々:

 *日本時代に建てられたものの、日本式ではなく元から台湾の地域信仰のお寺だったタイプ(福安廟)

 *日本時代に建てられた仏教のお寺を台湾風の道教のお寺に再編したタイプ(慈天宮)

 *日本時代に建てられた仏教のお寺が今でも仏教のお寺として残されているタイプ(普明寺)

 *宗教団体ではなく、地域の皆さん主導で、一般の人たちの呼びかけと募金によって作られたタイプ(鯉魚潭のほとり)

それぞれ違った神様 or 仏様を祀っているのですが、関係なく全部回っているんですよね〜。台湾では道教と仏教を行ったり来たりするのは垣根が低いです。うちは夫の家は父方が仏教、母方が道教で、お葬式などはそれぞれの方法でお祈りするのですが、こうした行事の時にはどちらも関係なく相手方のやり方に合わせてお祈りしています。

多くの日本人が神社にもお寺にも出入りするのに、ちょっと似ていますね。

またどこかでおもしろいお寺や風習などに出会ったらブログでシェアしたいと思います。

今回はここまでです。今日もお付き合いいただきありがとうございました(^^)

参考URL

◆ 鯉魚潭 https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003124&id=3

◆ 普林寺 https://www.hccc.gov.tw/zh-tw/CulturalHeritage/Detail/135

◆ 翰林國小閩南語下學期 “臺灣信仰故事:媽祖” https://youtu.be/97q-1ZawZ00

          “臺灣信仰故事:千里眼與順風耳” https://youtu.be/n_7imR1KBek (台語配音,中文字幕)

コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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