在外邦人がよく聞かれる「台湾籍は取得しないの?」答え方の一例&その理由

yes or no ビザ・居留証・戸籍・国籍等
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こんにちは、たまごです。今日は、台湾に何年かいると必ず聞かれる質問〜台湾籍を取得したいかどうかについて、自分が思っていることを書いてみたいと思います。

台湾籍を取得するつもりはない

私は台湾で台湾人オーナーの会社で働き、台湾政府に納税しています。でも日本国籍を持ち続けたいですし、二重国籍には興味はありません。台湾の永住権には興味がありますが、これからも台湾籍を取得することは考えていません。

台湾籍取得に興味がない理由

台湾籍取得に興味がない理由は大きく2つあります。

①一つは、日本のパスポートを所持していたほうが、海外に行くとき都合がいいからです。死ぬまで台湾で生活するかどうかはわかりませんし、出張などのときもビザ免除国が最大級の日本パスポートを所持していることは私にとっては大きなメリットです。わざわざビザ免除国が少ない台湾籍になる必要はありません。

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②もう一つの理由は、万が一滞在国と母国が深刻な対立関係になった場合は、日本側につくつもりでいるからです。いつまでたってもどこへ行っても、自分はルーツも文化も日本人という気持ちが強いのです。二重国籍を持ちたくない理由もこれです。国籍が2つあった場合、その人の立場はとても不明確になると思います。

誤解のないように言っておきたいのですが、これは実質的に二重国籍を所持しているかたや、日本政府に二重国籍を認めるよう訴えている方の考えは否定もしませんし、応援したりもしません。

滞在国の国籍を持たずに暮らし続けるにはそれなりの覚悟が必要

もし滞在国と日本が険悪な関係になって、現地で外国人でい続けることは、自分の身を危険に陥れることになるかもしれないということは覚えておいたほうがいいでしょう…。最悪の場合、命の危険があると思います。どこかに亡命できればいいですが、もしできなかった場合、敵性外国人として捉えられるとか、何年も隠れて暮らすとか、そういうことも起こりうるということです。

その点、現地の国籍を取得していれば、理論上は国民として扱われるので安心感は増します。

外国出身であることで、スパイだと疑われたり、いじめられたりすることはあるかもしれません。それでも、現地の国籍が無いよりは待遇はいいはずです。

ジレンマは残り続ける

台湾籍の取得に興味はないと公言している私ですが、2020年に、台湾で大きな選挙があって、そのときばかりはやはり「選挙権がない」ってどういうことなのか、考えさせられました。

大きな選挙とは、一つは総統選、もう一つは高雄市長罷免選挙です。

私は、総統選の候補としては蔡英文氏を支持…というか、韓國瑜氏を支持していませんでした。同氏は、高雄市長に就任して間もなく、総統選への立候補を表明した人物で、まじめに高雄市の行政に取り組まなかった人です(と私は思っています)。

もし韓氏が総統として当選したら台湾を去ろうと考えていました(^_^;)私は、自分の力で政治を変えられない外国人です。滞在国の政治が気に入らず受け入れられなければ、自分が出ていくしかないと思ったのです。

総統選では蔡英文氏が再選しました。


総統選が終わった時点で韓氏はまだ高雄市長でしたが、様々なスキャンダルを経て、韓氏に不満を抱いた高雄市民らによって市民の署名活動が起こり、高雄市長罷免(リコール)選挙が行われることになりました。


私は夫が高雄出身で、私の台湾の戸籍は高雄にあります。結婚すれば戸籍には載りますが、やはり国籍はないので、賛成票も反対票も投じることはできません。

高雄市長の韓國瑜氏の罷免選挙の日も、高雄には行きましたが、ただただ結果を見守るしかありませんでした。

高雄市長罷免選挙の結果、韓國瑜氏の罷免が決定しました。


この2020年の2つの選挙・・・台湾総統選と高雄市長罷免選挙を通じて、国籍、選挙権がないということはこういうことなのかと思い知らされた気がします。

そしてやはり、海外でずっと外国人として生活していく人は、マージナルな存在・・・台湾人とは完全には溶け込めきれない存在なんだなぁと感じました。だからこそ、日々「おもしろい(笑)」と思えることもたくさんあるのかもしれません。

日本の選挙には在外邦人として投票できる

一方、日本にはもう約5年納税をしていませんが、日本国民であることに変わりはないので、選挙権はあります!

台湾にある、日台交流協会で「在外選挙人」の登録をしているので、最後に住民票をおいていた自治体の選挙区に郵送で投票できます。一年以上海外にいる方でご興味のある方は、登録をおすすめします。

まとめ

私の態度をざっくりまとめると、

・日本パスポートのほうが台湾のものよりもビザ免除で入国できるのでメリットがある

・日本国籍を持ち続けたい(アイデンティティ的な理由が強い)

・二重国籍は自分の立場が不明確になるから要らない

⇨ ■日本が滅亡しない限り、他の国の国籍は要らない

意見は人それぞれだと思いますが、本当に(うるさいくらい)、台湾現地でよく聞かれる質問ですので、海外に住んでいる自分の態度をはっきりさせています。前はここまで突き詰めて考えていなかったので、「台湾の国籍がほしいのか」とか、「外国人はどうしたら台湾国籍をもらえるのか」とか、聞かれるたびにあいまいな答え方になってしまいました。あいまいな答え方になってしまったのは、台湾人への気遣いというか、遠慮のようなものもあったからだと思います。(台湾籍の人に台湾籍なんかいらないよ!と言ったら失礼なんじゃないか?と思っていたのです。)私がはっきり自分の意見を言わないので、以前は、興味のない話題がダラダラと続いてしまうこともよくありました。

でも今は、「自分はこう考えているから、台湾籍には興味がない」と言うと、スッと納得してくれることが多くなりました。自分のことを人にどれくらい話すかは個々人の自由ですが、もし私と似たケースの方がいらっしゃったら、何かの参考になればと思います。

コメント

こばやし・たまご。台湾新北市在住。東京でのサラリーマン生活、オーストラリア留学を経て、2016年より台湾企業に勤務。
ムカつくこともあるけれど、私、台湾が好きです。

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